大学院
HOME 大学院 コミュニケーションの限界
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月22日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

コミュニケーションの限界

コミュニケーションの限界/Limits of Communication
 「コミュニケーションとは何か」という広くいえば言語哲学的なテーマを、行為論的観点も交えつつ論じていきたいと思います。講義形式の授業ですが、質問や討論は大歓迎です。
 コミュニケーションは、第一義的には、人と人とのあいだに、かつリアルタイムの密接なやりとりとして、成立するものだといえます。とはいえもちろん私たちは、人と動物との、動物と動物との、または機械と機械とのあいだの「コミュニケーション」についても語ります。また、遺跡から出てきた作成者不明の木片の模様や宇宙から届いた謎の信号を、何かの「メッセージ」ではないかと疑ったりもします。これらの「コミュニケーション」や「メッセージ」の用法は、比喩的側面を含んでいるように見えます。もしそれが比喩的であるとすれば、どのように比喩的なのかを明らかにしなければなりません。
 授業ではまず、導入として、コミュニケーションにまつわる諸定義(言語とはなにか、記号とはなにか、コミュニケーションと言語との関係、そもそもコミュニケーションをどのようなものと規定すべきかといった諸問題)を論じます。そこではなるべく無難に論じるために、たとえばH・P・グライスやJ・L・オースティンといった哲学者たちの古典的なアイデアを援用します。
 そして次に、より個別な話題として、私たち以外のさまざまな種類の存在者(獣、ロボット、地球外知的生命体、過去の時代の著者……等々)とのコミュニケーションの可能性について検討します。あるいはまた、限界的な状況、すなわちさまざまな意味で制限された「コミュニケーション」の状況について、そこで生じうる困難や課題について考察する予定です。そこではたとえばH・フロイデンタールのLINCOSなども(これも歴史的なものですが)取り上げてみたいと思っています。
 講義を通しておそらく複数の独立した議論やトピックが総覧的に登場することになります。参加するみなさんとしては、それらのなかからご自身にとって問題として共有できると思えるものを、再構成していただければ幸いです。それをとりあえず目標としたいと考えます。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21240406
GHS-GC6D01L1
コミュニケーションの限界
柏端 達也
A1 A2
月曜5限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
 各回はおおむね以下のイメージです(ただし他に導入回や総括回を設けます)。 1. 言語とは何か 2. コミュニケーションと言語との関係 3. コミュニケーションとは何か 4. ロボットにとっての言語とロボットの心 5-7. 地球外生命体との交信1:根底性について 8-10. 地球外生命体との交信2:遠隔性について 11. 動物とのコミュニケーションと動物の心 12. 他者と言語
授業の方法
講義形式です。
成績評価方法
授業内で課する課題を必須の「試験」とします(90%)。ただし何らかの仕方で、授業への参加や貢献も評価の対象としたいと思います(10%)。
教科書
ありません。資料を用意します。
参考書
授業内にそのつど示唆します。
履修上の注意
予習・復習については、関連するテーマについて授業時間外にちょっとでも考えることが予習や復習になると思います。なお、授業時間内の質問を歓迎します。それによって授業が一時停止したり逸れたりしてもかまいません。