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最終更新日:2024年10月18日

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人文情報学概論I

人文情報学概論Ⅰ
長らく紙媒体に依拠してきた人文学は、今や様々な面でデジタル媒体に依拠せざるを得なくなりつつある。人文学の基礎である資料批判の手法は主に紙媒体に対して培ってきたものであり、人文学が学問としての基礎を維持し続けるためには、デジタル媒体の普及という新たな状況に対して資料批判の手法を再構築しなければならない。そして、この過程を通じて、人文学は、資料とそこから得られる情報の意義を再考するとともに、デジタル媒体の示す広汎な可能性に沿って自己を再規定する必要がある。人文情報学あるいはデジタル人文学(Digital Humanities)は、こうした課題解決のため、人文学研究者と情報学研究者が協働する場として世界で展開しつつある新しい枠組みである。

本授業では、デジタル媒体をも対象とする新たな資料批判の力を身につけることを目指し、この人文情報学の中心的課題である、デジタル媒体時代における人文学にとっての資料と情報に関する問題系の理解を深めるとともに、国内外で取り組まれつつある種々の具体的事例を通して人文情報学の現状を把握し、デジタル媒体に適切に向き合う構えを自律的に形成できる人文学研究者としての素地を涵養する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21240091
GHS-XX6A01L1
人文情報学概論I
大向 一輝
S1 S2
水曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
各回のテーマは以下の通りである。個々の技術の理解・習得だけでなく、これらの技術が内包する課題や限界、普及の経緯についても触れる。履修者自身が人文学と情報技術の関わりを批判的に捉えつつ、研究活動に生かせるようになることが目的である。なお、各回で紹介するツール・システム等のうち主なものについても挙げているので参考にされたい。 1. イントロダクション:定義と歴史 2. デジタル人文学におけるデータ(XML・TEI・RDFなど) 3. テキスト分析(Voyant Tools・KH Coder・Google/NDL ngram viewerなど) 4. ネットワーク分析(Palladio・Gephi・Cytoscapeなど) 5. 画像・音声・映像(IIIFなど) 6. 空間・時間(GIS・3D・HuTimeなど) 7. AI(大規模言語モデル・OCRなど) 8. デジタル人文学の研究事例 9. メタデータと知識(書誌情報・Zoteroなど) 10. デジタルアーカイブ(Omekaなど) 11. 知的財産権(著作権・Creative Commonsなど) 12. 技術標準(文字コード・ISOなど) 13. ワークショップ・まとめ
授業の方法
ハイブリッド形式で実施する。講義形式で行うが、一部実習を伴う場合がある。インターネット上の資料やサービスにアクセスするため、パソコンとオンライン接続環境を必須とする。パソコンはWindows・Mac・Liunxを問わない。
成績評価方法
各回の講義時に指示する課題の提出および期末のレポートによる。
教科書
とくに指定しない。
参考書
『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』(文学通信) 『人文学のためのテキストデータ構築入門』(文学通信) Susan Schreibman, Ray Siemens, and John Unsworth ed. A New Companion to Digital Humanities (Blackwell Companions to Literature and Culture), Wiley-Blackwell, 2016/1/26 『デジタル・ヒューマニティーズ入門』 (http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/***** ) 後藤真・橋本雄太編『歴史情報学の教科書』(文学通信) 京都大学人文科学研究所共同研究班編『日本の文化をデジタル世界に伝える』(樹村房) 下田正弘・永崎研宣編『デジタル学術空間の作り方』(文学通信)
履修上の注意
Aセメスターの人文情報学概論Ⅱと連続して履修することを推奨するが、単独での履修も歓迎する。 大学院横断型教育プログラム「デジタル・ヒューマニティーズ」の修了を希望する場合には本授業は必修である。 プログラムの詳細は関連ホームページを参照のこと。