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最終更新日:2024年10月18日
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環境文化史から実践するパブリック・ヒストリー
環境文化史から実践するパブリック・ヒストリー
近年、歴史学の各分野で、歴史研究・歴史叙述を専門家の独占から解放し、一般社会のひとびととともに考えてゆくパブリック・ヒストリーが盛んになっている。そこでは、史料を読解し過去の事実を云々するだけでなく、わたしたちが直面しているさまざまな現代的問題について、歴史的な知見を援用し解決の方法が模索されている。例えば、災害史の知識は、防災・減災のリスク管理に役立ってくれるのか。伝統や文化財の保全と環境の改変・開発とは、どのように折り合いをつけてゆくべきなのか…。しかし、それらをめぐる合意形成の現場では、負の歴史をめぐる地域住民の悪感情の調整、"Shared Authority" をめぐる葛藤など、さまざまな固有のアポリアが横たわっていて、容易な解決を許さない。同授業の担当教員:北條は、2021年度の死生学・応用倫理研究センター開講科目「〈亡所〉の環境史/倫理学」にて、理不尽に抑圧・忘却されてゆく場所/人びとを〈亡所〉と定義、上記と同質の問題意識からそケース・スタディを行った。本授業もそれを踏襲し、北條の関わってきた〈亡所〉の諸問題を検討しつつ、社会生活における〈歴史の応用〉について考えてゆきたい。
また、受講生にはこの授業を通し、以下の目標に到達してほしい。
1)高校までの教科書で学んだ歴史が、唯一普遍ではなく仮説に過ぎないことを自覚できるようにする。
2)一国史・人間の歴史という固定的な枠組みを相対化し、より柔軟で多角的な歴史への眼差しを持てるようにする。
3)過去を学ぶことが現在を生きるうえでどのような意味を持つのか、主体的に考えられるようにする。
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