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最終更新日:2024年10月18日
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食と場所の環境倫理
現代における自然らしさとは何か、人間的であることとは何かを食と場所に関する議論を通じて考察する。
食とは、自然が生み出したものを人間の身体に取り入れる行為であり、身体という場は人と自然が関わる場でもある。また食は、食料を得て加工し食卓に並べるまでの過程も、食べるという行為自体も、きわめて文化的かつ社会的行為である。しかも、グローバルに広がる食の生産・消費・廃棄のシステムに支えられた現代の食において、わたしたちは見知らぬ他者が生きる場と生産・消費・廃棄のシステムを介してつながっている。本講義では、大気海洋システムまでも大きく人間活動に影響を受け、人為起源の生物系群に地球が覆われた人新世時代において、食システムがいかなる変容を求められ、実際に変容しつつあるかを追いかける。そして、よい食とは何かについて、おいしい、健康である、倫理的である、持続可能である、公正である、真正である、など「よさ」を表現する概念と実践をたどりながら考える。それは同時にわたしたちが生きる場所とは何かについて考えることでもある。本講義は二つの目標を設定する。一つは、現在の食システムを理解した上で、よい食とは何かを評価する軸をみずから見いだし、実践する方法を探求することができることである。もう一つは、人新世時代において自然らしさ、人間的であるとは何かについて深く考察し、具体的な社会のデザインについて想像する力を得ることである。
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