大学院
HOME 大学院 日本語方言の記述的研究
過去(2023年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月1日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

日本語方言の記述的研究

日本語方言の記述的研究
日本語方言の記述的研究を行うための観点・方法を検討する。

今年度は「準体形式」(非名詞を名詞化する形式)をテーマとする。現代日本語共通語では「そこにある【の】を取って」「行く【の】は嫌だ」「今日はいずみが来る【ん】だよ」のように「の」「ん」が用いられる。諸方言においては準体助詞としてガ、トなどの形式があり、また、準体助詞がなく「行くは嫌だ」などの表現(ゼロ準体形式)が用いられる方言もある。中央語史においても準体助詞はあとから発達したものだが、その発達にはモノ名詞を作る場合とコト名詞を作る場合とで差があることが知られている。また、現代日本語共通語では上の「来るんだよ」のように準体助詞が述語で用いられて一種のモダリティ形式を作るが、この形態とその用法においても方言差がある。

この授業では、先行研究をふまえて準体形式の記述・対照に用いることができる共通調査票を作成し、各自が調査を実施、調査結果と考察を報告、全員で議論する。

ここで「日本語諸方言」とするものには、「東京方言」「首都圏方言」を含む。すなわち現代日本語のくだけたスタイルの話し言葉全体が対象と思ってよい。また、琉球諸語や八丈語など日本語族(Japonic)に属する日本語以外の言語変種も対象となる。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21231133
GHS-JS6A02S1
日本語方言の記述的研究
小西 いずみ
S1 S2 A1 A2
火曜3限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
4
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
春学期:準体助詞、準体形式に関わる文献講読を行い、日本語方言(日琉諸方言)の記述・対照研究のための共通調査票を作成する。 秋学期:受講生それぞれが対象方言を設定し、共通調査票を用いて調査を実施、その調査結果を発表し、全員で議論する。受講生自身の個人語の記述でもよいが、他者を対象とした面接質問調査を行うことを推奨する。受講生どうしで話者・調査者になりあってもよい。 授業での成果を、研究報告・論文・電子データ集などの形で公刊・公表することを目指す。 社会状況が許せば、任意参加で臨地方言調査を行う。
授業の方法
初回数回は授業担当者による講義・実習。その後の文献講読、調査票の検討、調査結果発表は各回の担当者(報告者)がまず発表し、それを受けて議論する。
成績評価方法
発表、出席、議論への参加
教科書
教科書は使用しない。
参考書
日本語記述文法研究会(編)(2003)『現代日本語文法 4 第8部モダリティ』くろしお出版 日本語記述文法研究会(編)(2008)『現代日本語文法 6 第11部複文』くろしお出版 野田春美(1997)『「の(だ)」の機能』くろしお出版 他、授業中に紹介する。
履修上の注意
授業の進め方については、受講生数と学問的背景により相談して決める。