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最終更新日:2025年4月21日
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行為者であること、人であること
行為者であること、人であること/Agency and Personhood
開講科目名は「哲学的行為論・パーソン論」あたりにしておけばよかったかもしれません。仕様を私が取り違えたため、開講科目名のところにも講義題目のようなものが入っています(これを書いている時点でそこはもう変えられないようです)。ともあれ、本講義の全体で私が示唆したいことはシンプルで、すなわち、行為者であること(agency)も、人であることも (personhood)、きわめて基本的な概念であり、他の何らかの概念によって説明したりそこに還元したりすることが非常に難しいということです。そのことを示すために、授業では、たとえば行為者の自由や人の同一性をめぐって提出された哲学的なパズルのいくつかを概覧し、その諸解決案を検討することによって、それらのパズルの成り立ちや根源を探りたいと思います。なお本講義は、行為より人についての議論のほうがどちらかといえば比重が大きく、そこでは分裂の問題や転送、復活、転生といったケースなどを取りあげる予定になっています。
もう一つの講義テーマとして「時間」が挙げられます。授業ではとりわけ、これから行なう行為や、これから生まれる人といった未来の存在に対するわれわれの常識的態度の分析を試みたいと思います。そして、そのような未来の存在(また過去において未来の存在だったもの)を、どのように哲学的に整合的に扱えばよいのかについて論じるつもりです。「様相」の話もすこし関わってきます。
講義を通して複数の独立した議論やトピックが総覧的に登場することになると思いますので、それらのなかからご自身にとっても真に問題だと思えるものを、もし再構成していただけるなら幸いです。とりあえずそれを目標としたいと考えます。
In this class, we will survey the philosophical problems on topics such as the freedom of agents and the identity of persons, examine possible solutions to them, and investigate the structure of those problems and their roots. This class will also discuss the question of how philosophical theories should treat the “future entities”, such as future actions that are intended to be performed and future persons who will be born. What I want to suggest in this class is that both agency and personhood are difficult to reduce to some other concepts. (However, this class is conducted in Japanese.)
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