長篠の戦いに関わる史料を毎回読み、解釈してゆく。関係する史料は、同時代の文書、日記、同時代に近い時期に成立した記録(『信長公記』『三河物語』『当代記』『甲陽軍鑑』など)、江戸時代前期に成立した徳川創業史(『御当家紀年録』『治世元記』『武徳大成記』など)、江戸時代中期以降に成立した軍記(『総見記』『長篠軍記』など)、長篠の戦いに参陣した武士の子孫が作成した系図(『寛永諸家系図伝』など)がある。また、上記文献史料以外に、長篠の戦いのイメージを決定づけたと思われる「長篠合戦図屏風」がある。これらを原則的に古いほうから読みながら、長篠の戦いをめぐる様々な挿話・伝説がどのように形成され、伝承されていったのかを見てゆく。