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最終更新日:2025年4月21日
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音声からアニメーションを再考する
声は言葉の媒介であるために、人間精神の証とされてきました。
しかしそのいっぽうで、声は肉体が生み出す空気の振動でもあります。
精神と身体、形而上と形而下、普遍と特殊。二項対立を構成するこれらの概念は、声をめぐってはいっそう絡み合って、互いを補完しています。
現代日本には、声を成立させるこうした二項対立がもっとも生産的に機能する領域があります。
それこそが、運動の選択と制限によって成熟してきたアニメと、その境界で展開するキャラクター・ソング、ドラマCD、ゲームです。
視覚的にはキャラクターの黒子に徹する声優たちの人気が如実に示すとおり、
いったん声は、持ち主から切り離されてキャラクターのものになりながら、持ち主の署名入りの声としても流通し、「声のスターダム」とでも呼ぶべき独自のシステムを築き上げています。
そうした声はどのように構成されているのでしょうか。またその声を聴取する経験とはどのようなものなのでしょうか。
本講義では、アニメ、キャラクター・ソング、ドラマCD・ゲームにおいて「声のスターダム」を成立させる歴史的・社会的・技術的背景を理解し、私たちがその声とどのようにコミュニケーションを取っているのかを考察します。
本講義の到達目標は以下です。
・アニメとその周辺領域における声の意義と変遷を理解する。
・アニメとその周辺領域における声を構成する社会的・文化的・政治的・経済的・技術的要因を理解する。
・自身の視聴覚的経験を客観的に、また批評的に捉え、言語化する。
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