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最終更新日:2025年4月21日
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偶然性の美学
偶然性の美学
『「いき」の構造』、『偶然性の問題』の著者として知られる九鬼周造は、『文学概論』、『日本詩の押韻』などで「偶然性の美学」の構築を目指したと考えられるが、早逝のために果たされなかった。九鬼の思想形成を考えるうえで、大きな影響を与えた西洋の哲学者に、シェリングとオスカー・ベッカーの二人を挙げることができるが、二人の思想と九鬼周造の思想は、いずれも偶然性というキーワードで結びつき、その関係を読み解くことは、九鬼の果たせなかった構想を探る鍵となる。本講義では、3人の思想の関係を「偶然性の美学」をキーワードに読み解くことで、主に西洋哲学を取り入れることで確立を目指してきた日本美学の可能性を再検討していく。さらに、「無常」や「はかなさ」のような日本の伝統的美意識を射程に収めることにより、より深くて広い美学理論の展開を模索してみたい。
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