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最終更新日:2022年10月20日

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南アジア仏教思想研究:人と動物と植物の死と殺をめぐる倫理と救済

 世界の様々な宗教が「殺してはいけない」という戒めを説く。だが、社会的役割から命を奪わなければならない者たち――たとえば、戦争を担う王や戦士、死刑を担う司法関係者、食材のために動物や植物の命を絶つ職業の従事者など――はどうなるのだろうか。また、心身維持のために動物や植物を食べることはどう考えればよいのか。言い換えれば、社会や生存のための生命の喪失を、「殺してはいけない」という戒めを通して宗教はどうとらえてきたのだろうか。本授業では、人と動物と植物の生命をめぐるこのような問題を、南アジア仏教の諸文献(上座部・大乗など:紀元前3世紀~7世紀頃)がどのように考えてきたのかを概観・検討する。
 前近代の文献の思想を学ぶ面白さの1つは、それが西洋近代思想の洗礼を浴びる前に作られたものであることから、時に私たちにとって意外な思考のあり方を提供してくれることである。なお、人と動物と植物の生命について一貫した論理を以って思考した現代の応用倫理学の古典としてピーター・シンガーの一連の著作があり、現在のヴィーガニズム等各方面に一定の影響力を与えている。南アジア仏典の思想の特徴を(また本授業の切り口を)よりよく理解するために、比較の観点から、本授業では導入として同テーマに関する現代の応用倫理学等の一部成果も扱う。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21220606
GHS-GC6F01L1
南アジア仏教思想研究:人と動物と植物の死と殺をめぐる倫理と救済
杉木 恒彦
S2
集中
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教室
法文1号館 212教室
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
1~4. 人と動物と植物の命を奪うことをめぐる考察の導入として、現代の応用倫理学等の成果のうちシンガーの理論等を概観・検討する。 5~12. 南アジア仏典における、人と動物と植物の命を奪うことをめぐる様々な教えを概観・検討する。具体的なスケジュール(予定)は以下の通り。 5. 仏典における心と行為と善悪の基準 6. 比丘律における、殺人、過失致死、自殺、医療過誤、安楽死(に概ね相当するもの) 7. 刑罰をめぐる倫理と救い 8. 戦争をめぐる倫理と救い(1) 9. 戦争をめぐる倫理と救い(2) 10. 動物の生をめぐる倫理と救い(1) 11. 動物の生をめぐる倫理と救い(2) 12. 植物の生をめぐる倫理と救い 13. まとめ
授業の方法
講義と質疑応答による。
成績評価方法
本授業は4日かけて行う集中講義であり、1日ごとに提出するミニレポート(授業中に時間をとって作成する)の合計(1回25%×4回=100%)で成績評価を行う。
教科書
市販の教科書は用いない。毎回授業資料を配布する。
参考書
Sugiki, Tsunehiko. (2020). Compassion, Self-Sacrifice, and Karma in Warfare: Buddhist Discourse on Warfare as an Ethical and Soteriological Instruction for Warriors. Religions 11 (2), 66 (pp. 1-24). インターネットよりダウンロード可. Sugiki, Tsunehiko (2022). An Aspect of Indian Buddhist Views of Capital Punishment and Severe Physical Punishment. Journal of Indian and Buddhist Studies 68 (3), pp. 63-69. インターネットよりダウンロード可. Sugiki, Tsunehiko (2022). Warriors Who Do Not Kill in War: A Buddhist Interpretation of the Warrior's Role in Relation to the Precept against Killing. Religions (Special Issue: Religious Representations in and around War), 11 (10), 530 (pp. 1-20). インターネットよりダウンロード可. Ohnuma, Reiko. (2017). Unfortunate Destiny, Animals in the Indian Buddhist Imagination. New York: Oxford University Press. Schmithausen, Lambert. (1991). The Problem of the Sentience of Plants in Earliest Buddhism (Studia Philologica Buddhica Monograph Series VI). Tokyo: The International Institute for Buddhist Studies. シンガー, ピーター(山内友三郎・塚崎智監訳)『実践の倫理』昭和堂、1999年.
履修上の注意
授業で引用する仏典の原語はパーリ語、サンスクリット語、チベット語、漢文であるが、配布資料には全て講義担当者による日本語訳を掲載する(原文は注に記す)ので、履修上における言語学習状況の制限はない。履修者は、仏教、南アジア宗教、死生をめぐる比較宗教学あるいは生命や自然環境をめぐる応用倫理学に何らかの関心があることが望ましい。
その他
授業内容に関する調べものを行うためにパソコンやタブレットを授業に持ち込んで使用して差し支えない。