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最終更新日:2024年4月22日

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行動意思決定論

行動意思決定論 Behavioral decision theory
本講義では、社会的状況における意思決定の理論とその応用に関して、良い意思決定についての議論を行う。本講義では、担当教員の専門に近い分野の行動意思決定論とその応用に関する授業を行う。社会心理学は、政治、経済、経営、日常生活などの社会的状況における人間の知覚、認知、判断、意思決定、行動の仕組みを解明する学問である。本講義では、社会心理学の基礎となる意思決定論の考え方と方法論・理論、そして研究知見を総合的に概説する。また、本講義では、方法論や理論などに力点を置きながらも、社会政策や経営・経済政策などの実務的な観点をも考慮した講義を行い、学生に意思決定論がどんな役に立つか」ということを積極的に考えていただくことを目指している。人間の意思決定の研究は、人々の判断や意思決定に関する心理学的知見を数多く提供してきた。意思決定研究は、少なくとも18世紀にロシアのサンクト・ペテルブルグで活躍したベルヌイ(Bernoulli,D.)の効用の研究に遡ることができるが、1978年度のノーベル経済学賞受賞者のサイモン(Simon, H.A.)、2002年度の受賞者のカーネマン(Kahneman,D.)、2017年度のセイラー(Thaler,R.)の諸研究に認められるように、その心理学的方法論と知見を用いた応用が,経済学,経営学,工学などの分野で広くなされており,その有用性が認められてきている。本講義では,行動計量学的な立場に立脚しながら,意思決定の処方の考え方と我々の検討してきた「状況依存的焦点モデル」についての考え方とそれらの知見と応用についての概説を行う。処方的意思決定アプローチは,記述のみを目的としてはいず,規範的なことのみを考えているわけではなく、よりよい意思決定を考えていく。
 テキストは1冊であるが、心理学の基礎や行動意思決定論に関する広範な学習してもらうことになる。その分、備考欄にも書いたように、学生には、充分な予習や復習をしていただくことを講義の前提としている。本講義を受講することによって、人間の社会的行動への理解が促進し、意思決定論、社会的意思決定についての学術雑誌や学会発表もある程度理解でき、研究の具体的応用を考察できるようにすることを目標とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21214203
GHS-SC6B01L1
行動意思決定論
竹村 和久
S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
以下の内容を講義あるいは議論する予定である。  Ⅰ部  社会心理学とは何か  1.担当教員の自己紹介と今後の授業の方針説明  2.「社会心理学、意思決定論」への希望調査  3.「社会心理学、意思決定論」に対する期待とディスカッション  4.人間の社会性の把握と意思決定論特徴  Ⅱ部 意思決定の理論と処方  1.意思決定とは何か  2.意思決定の処方について  3.選好の順序付けと測定  4.加法的モデルによる測定と公理系  5.状況依存性と状況依存的焦点モデル  6.状況依存的焦点モデルについての実験  7.状況依存的主御要点モデルの特徴と他の理論  8.プロスペクト理論とその関係  9.状況依存性の測定と行動計量  10.多属性意思決定と計量モデル  11.社会問題解決のための行動計量1:交通渋滞の事例  12.社会的問題解決のための行動計量2:コンパクトシティの事例  Ⅲ部  社会心理学と意思決定論に向けての総括と今後の展望
授業の方法
適宜、グループワークや実習も行いながら、講義を中心に行う。対面授業を中心に行うが、状況をみてZOOMや資料提示で行う。
成績評価方法
試験:50% 単元ごとの授業時の予告なし試験、授業終了時の試験での理解力をみる レポート:20% 平常のレポート課題の内容を評価する 平常点評価:30% 授業への出席状況、授業での態度 その他:0% なし
教科書
以下の書籍をテキストとして講義をするが、テキスト以外の内容についても適宜話題提供をする予定である。  竹村和久・藤井聡 (2015) 意思決定の処方 朝倉書店
参考書
以下の参考文献があるが、他のものは適宜授業中に紹介する。  Allwood,C.M.&Selart.M.(Eds.) (2001) Decision making:Social and creative dimensions.   Kluwer   Academic.  チャルディーニ、R.B. 社会行動研究会訳 (2014) 影響力の武器 誠信書房 第3版  市川伸一(編) (1996) 認知心理学4  亀田達也・村田光二(2010) 複雑さに挑む社会心理学:適応エージェントとしての人間 有斐閣   改訂版  子安 増生 西村 和雄 (編)(2007)「経済心理学のすすめ」 有斐閣  シーナ・アイエンガー(2010) 「選択の科学」 文芸春秋  ウィリアム・パウンドストーン(2010)「プライスレス」 青土社  杉本徹雄編 (2012) 消費者理解のための心理学 福村出版  守口剛・竹村和久(編) (2012) 消費者行動論 八千代出版  堀毛一也・竹村和久・小川和美 (2017) 社会心理学 培風館  Takemura,K.(2014) Behavioral decision theory: psychological and mathematical decscriptions of human choice behavior, Tokyo:Springer.  Takemura, K. (2019). Foundations of economic psychology: A behavioral and mathematical approach,    New York: Springer  Takemura, K. (2020). Behavioral decision theory, In Oxford research encyclopedia of politics, Oxford: Oxford University Press. doi: 10.1093/acrefore/9780190228637.013.958 竹村和久 (2009) 行動意思決定論-経済行動の心理学 日本評論社  竹村和久 (2015) 経済心理学 培風館  竹村和久(編著) 野島一彦・繁桝算男(監修) (2018) 社会・集 団・家族心理学 遠見書房  山口裕幸・高橋潔・芳賀繁・竹村和久 (2006)「経営とライフに生かそう!産業・組織心理学」   有斐閣僚アルマ
履修上の注意
初回の講義の段階では、社会心理学についての知識は前提としない。ただし、一般心理学や心理学研究法についての初歩的知識、多変量解析や実験計画などの統計解析に関する初等的知識、微積分、多項式関数、ベクトルに関する高校で履修可能な数学的知識、新聞で入手可能な時事問題に関する初歩的知識を前提とする。また、積極的な授業への参加を期待する。テキスト以外に、指定した参考文献なども次回の授業までに読んで来るように随時指示を与える。また、授業時間中に、学生同士のディスカッションや社会心理学に関連した実験参加募集なども行う.  関連URL: http://member.nifty.ne.jp/***** http://www.soc.nii.ac.jp/*****        http://www.waseda.jp/***** 基本的には対面授業および資料提示で行う。
その他
初回の講義の段階では、社会心理学についての知識は前提としない。ただし、一般心理学や心理学研究法についての初歩的知識、多変量解析や実験計画などの統計解析に関する初等的知識、微積分、多項式関数、ベクトルに関する高校で履修可能な数学的知識、新聞で入手可能な時事問題に関する初歩的知識を前