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最終更新日:2025年4月21日

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戦前の『哲学雑誌』を読む

戦前の『哲学雑誌』を読む(3)
 1884年に東京大学文学部において発足した日本最古の哲学系の学会「哲学会」の学会誌『哲学雑誌』(創刊は1887年)は、近代日本において西洋哲学がどのように導入・消化され、また日本独自の哲学が展開されていったかを示す貴重な資料である。また、戦前の『哲学雑誌』は、狭義の哲学だけでなく、仏教や儒教を始めとする東洋思想・哲学、宗教学、心理学、社会学等々の論考が掲載され、人文系の学問の一種の坩堝の様相を呈し、現在とは異なる学問論的状況を示している。本授業では『哲学雑誌』の戦前の論考・記事を分析することを通して、1/近代日本哲学の成立と展開を検討するとともに、2/明治期以降の近代における西洋哲学の導入の模様と文学部における学問の制度化について検討する。これを通して、現在の日本において哲学することの意義と今後のありようについての基礎的な展望と人文学ならびに社会科学に関する現在の学問的状況を捉え直して新たな学問論的な視座とを獲得することを目指す。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21210001
GHS-XX6A02S1
戦前の『哲学雑誌』を読む
納富 信留
S1 S2 A1 A2
木曜5限、木曜6限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
 今年度は1930年代以降、第二次世界大戦を経て戦後に至る『哲学雑誌』を検討する。この時期、桑木厳翼の世代から出隆、池上鎌三を始めとする戦後の東大哲学に大きな影響を与える哲学者が論文を『哲学雑誌』に発表しすると共に、フッサール、ドイツ観念論に関する専門的な論文が中心となる。これらの論文の分析は課題の一つである。他方、京都学派の哲学者たちほどには戦争の傷跡を受けなかった東大系の哲学者たちの時局への沈黙の意味も考察したい。さらに、戦前/戦後の断絶の有無、その意味についても『哲学雑誌』の編集方針饒辺かなどを中心に考察する必要がある。また、所謂「お雇い外国人」教師の位置づけなど、過去二年間の演習において積み残しとなっていた課題も検討することにしたい。  授業は概ね隔週の進度で進めるが、教員を含めた参加者の都合と参加者によって内容が変化するので、日程と毎回の内容については初回のガイダンスにおいて確定する。
授業の方法
 教員による講義と参加者による発表によって授業を進める。教員は基本的問題設定を講義し、それをもとに参加者の院生が資料を読解・検討した成果を発表した後で、討論を行う。
成績評価方法
 平常点とレポート
教科書
 多岐に亘るので授業中に指示する。『哲学雑誌』のバックナンバーに関しては、整い次第、電子データを配布する予定。
参考書
 多岐に亘るので授業中に指示する。
履修上の注意
 初回は担当等を決めるので、必ず出席すること。  初回の授業は、4月15日(木)16時50分からを予定している。変更の可能性もあるので、確定次第、ITC-LMSを通して通知する。  留学生の受講も予想されるので、当面、オンラインで実施する。その後の実施方法やスケジュール等については初回に調整する。