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最終更新日:2024年4月22日

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「人格」概念の倫理思想史

「人格」概念の倫理思想史
 「人格」の概念は、私たちの社会生活の倫理の基盤をなしている。たとえば、自他の「人格を尊重すること」は、現代社会の基本的なルールであり、誰かの「人格を傷つけること」は、厳しく倫理的に非難されるふるまいである。
 「人格」という日本語は、英語のpersonやドイツ語のPersonの訳語であり、これらの西洋の言葉は、もともとは「仮面」を意味したラテン語のpersonaに由来する。そしてこれらの言葉は、西洋の倫理思想史のなかで、曲折した長い議論の歴史を背後に持っている。
 この講義では、そうした「人格」をめぐる思想史のなかから、5つの重要な問題場面を取り出し、その議論の大枠を概観する。そのことで、私たちの倫理意識にとって馴染み深い「人格」という概念に、倫理思想史の観点からあらためて光を当てることをこころみる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21200607
GHS-GC6E01L1
「人格」概念の倫理思想史
宮村 悠介
S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
 1 導入 「人格」ということば  2 キリスト教哲学におけるpersona① アウグスティヌス  3 キリスト教哲学におけるpersona② ボエティウスとトマス・アクィナス  4 近代の社会契約説におけるperson① ホッブズ  5 近代の社会契約説におけるperson② ロック  6 近代の社会契約説におけるperson③ ルソー  7 カント哲学におけるPerson① 理論哲学の場合  8 カント哲学におけるPerson② 倫理学の場合  9 カント哲学におけるPerson③ 宗教論の場合  10 ドイツ実存思想におけるPerson① シェーラー  11 ドイツ実存思想におけるPerson② ハイデガー  12 ドイツ実存思想におけるPerson③ レーヴィット  13 近代日本哲学における「人格」① 西田幾多郎と波多野精一  14 近代日本哲学における「人格」② 和辻哲郎  15 おわりに 問い直される「人格」
授業の方法
基本的に講義形式で行う予定であるが、受講者の人数によっては、演習形式で行う可能性もある。
成績評価方法
 レポート(80点)と授業への参加状況(20点)で評価する。
教科書
 使用しない。授業は配布するプリントをもとに行う。
参考書
 授業では扱えない潮流や思想家をカバーした通史として、以下の三冊を挙げておく。  各回の授業内容の参考文献は、各回の授業時に提示する。  小倉貞秀『ペルソナ概念の歴史的形成 古代よりカント以前まで』(以文社、二〇一〇年)  坂口ふみ『〈個〉の誕生 キリスト教教理をつくった人びと』(岩波書店、一九九六年)  佐古純一郎『近代日本思想史における人格観念の成立』(朝文社、一九九五年)
履修上の注意
 とくになし。
その他
 とくになし。