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最終更新日:2024年4月22日

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ヤーコプ・フォン・ユクスキュルの「環世界」概念について

ヤーコプ・フォン・ユクスキュル(1864-1944)が提唱した「環世界(Umwelt)」の概念を理解することで、20世紀前半に、とりわけドイツ語圏に現れた「世界(Welt)」に関する考え方を理解するための手がかりを得ることを目標とします。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21193502
GHS-EA6E01L1
ヤーコプ・フォン・ユクスキュルの「環世界」概念について
石田 雄一
A1 A2
月曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
ユクスキュル自身は生物学者ですが、彼の思想はむしろ思想家や芸術家に注目され、彼の提唱する「環世界」の概念はリルケの「世界内空間(Weltinnenraum)」やハイデガーの「世界内存在(In-der-Welt-sein)」などの淵源とも言われています。こうした20世紀の文学史あるいは思想史の文脈の中でユクスキュルの「環世界」に関する考え方を理解することを目標にJakob von Uexküll/Georg Kriszat: Streifzüge durch die Umwelten von Tieren und Menschen(邦題:『生物から見た世界』)を読みます。テキストは大著ではなく、語り口も具体的かつ平易なものなので、全て逐語訳的に読むのではなく、章ごとに内容の全体を把握した上で、重要な部分だけを詳細に読むという形で進めるつもりです(授業ではドイツ語のテクストを使いますが、ドイツ語を読むことに慣れていない人は邦訳を併用するなどの工夫をして下さい)。以下、テキストの章のタイトルを示しておきます。 1. Einleitung 2. Die Umwelträume 3. Die fernste Ebene 4. Die Merkzeit 5. Die einfachen Umwelten 6. Form und Bewegung als Merkmale 7. Ziel und Plan 8. Merkbild und Wirkbild 9. Der bekannte Weg 10. Heim und Heimat 11. Der Kumpan 12. Suchbild und Suchton 13. Die Magischen Umwelt 14. Das gleiche Subjekt als Objekt in verschiedenen Umwelten
授業の方法
毎回、担当者を決めて章の内容について発表してもらい、その後で、重要な部分を全員で訳読するという形で進めます。
成績評価方法
授業への参加状況(発表・発言など)100%
教科書
Uexküll, von Jakob / Kriszat, Georg: „Streifzüge durch die Umwelten von Tieren und Menschen – Ein Bilderbuch unsichtbarer Welten“.(すでに絶版のため、コピーを用意します)
参考書
以下はあくまでも参考文献なので、興味があれば読んでみて下さい。 - ユクスキュル/クリサート(日高敏隆/羽田節子訳)『生物から見た世界』(岩波文庫 青943-1)岩波書店(←授業で扱うテキストの邦訳) - ヤーコプ・V・ユクスキュル(前野佳彦訳)『動物の環境と内的世界』みすず書房、2012年。 - ヤーコプ・フォン・ユクスキュル(入江重吉訳)『生命の劇場』(講談社学術文庫)講談社、2012年。 - ジョルジョ・アガンベン(岡田温司/多賀健太郎訳)『開かれ―人間と動物』平凡社、2004年。 - 木田元『ハイデッガー拾い読み』新書館、2004年。 - 国分功一郎『暇と退屈の倫理学』朝日出版社、2011年。 - 三宅陽一郎『人工知能のための哲学塾』エー・ビー・エヌ新社、2016年。 - 松田雄馬『人工知能の哲学』東海大学出版会、2017年
履修上の注意
特にありません。