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最終更新日:2024年4月22日

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現代日本語の構文と意味

現代日本語の構文と意味
 逸脱的特徴を持つ実例の意味解釈過程を考察し、構文という単位の持つ、全体的で抽象化された類型的意味に関する文法的知識の重要性を論じる。逸脱的特徴を持つ文は、ベースとなる構文の類型的意味を類推によって写像し、実際に出現した形式の意味に創造的な意味を重ね、文脈に合わせた柔軟な意味解釈がなされていると考える。本講義では、主として自・他動詞構文に属する逸脱的なノガ文・ノヲ文を考察対象とし、それらの意味がどのようなものと解釈されるか、その解釈過程に貢献する文法的知識とはどのようなものかを考える。実際に使用された文を自らの内省を用いて考察し言語についての理解を深めることが本講義の主たる目的である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21191106
GHS-JS6A01L1
現代日本語の構文と意味
天野 みどり
A1 A2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
1.構文研究の概観、本講義の見通し、重要概念の規定 2.逸脱的特徴を持つノヲ文の研究概観-ベースとする他動詞構文の考察・許容度の考察 3.逸脱的特徴を持つノヲ文の観察その2-会話引用後接のマーカー、用法の整理 4.逸脱的特徴を持つノガ文の観察-ベースとする自動詞構文の考察 5.ノヲ文の観察その3-ノガ文と類似した〈変遷性〉の対比と、いわゆる〈対比〉についての考察 6.現実世界領域・認識領域・発話行為領域の区別とノヲ文、既定性 7.格助詞と接続助詞の機能の重なり-ノヲ・ノニ・ノニ対シテ、逆接・対比とは何か 8.格助詞と接続助詞の機能の重なり-ノガ・ノニ・ノニ対シテ 9.格助詞と接続詞の機能の重なり-ノガ・ソレガ、既定性 10.ノ節の用法の拡がり-主要部内在型関係節とは何か、逸脱的ノヲの位置づけ 11. ノ節の用法の拡がり-主要部内在型関係節とは何か、逸脱的ノガの位置づけ 12. ノとコトの違い-先行研究概観、逸脱的ノヲ・ノガの研究からの検証、既定性再検討 13. 形と意味の密接な関わり-文の表す意味と名詞句の表す意味の違い、連体修飾節とノ節 14. 母語話者と日本語学習者の意味解釈の異なり 15. 本講義のまとめ-自他構文を例にした構文の意味の類推拡張
授業の方法
講義形式
成績評価方法
出席(授業参加)状況と期末レポートにより総合的に評価する。
教科書
プリントを配布する。
参考書
天野みどり(2002)『文の理解と意味の創造』笠間書院 天野みどり(2011)『日本語構文の意味と類推拡張』笠間書院 その他、授業時に適宜示す。
履修上の注意
特になし。