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最終更新日:2024年4月22日

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先端医療と死生観

安楽死・尊厳死と生権力
 近年、世界的に安楽死・尊厳死が推進されている。しかも、それらの言葉が使用されないまま推進される傾向にある。たとえば、アメリカでのPLOST(Physician Orders for Life Sustaining)、カナダでのMAID(Medical Assitance/Aid in Dying)であり、日本での「終末期医療」や「人生の最終段階における医療・ケア」である。もはや安楽死・尊厳死は、私たちがイメージしがちな「安らかに死ぬ」というものとは異なり、一定の人々に対するいわば死の強制にほかならないものになりつつあるのだ。
 本講義では、日本と世界のこのような現状に鑑み、安楽死・尊厳死について多角的に検討し、それらが推進される構造を生権力(ミシェル・フーコーが示した権力概念)と医療経済の観点から分析する。そして、こうした考察作業を通じて、「人間にとって死とは何か」「人間の尊厳とは何か」を探究する契機を獲得する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21190072
GHS-XX6A01L1
先端医療と死生観
小松 美彦
S1 S2
金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
 次の順序で議論を拡張し、深化させていく予定である。 (1)安楽死・尊厳死の基本事項の確認 (2)その歴史的概観 (3) 森鴎外『高瀬舟』とナチスによる障害者大量安楽死 (4)近年の具体的事例(アメリカ、オランダ) (5)議論の前提の問いなおしⅠーー自己決定権、(6)議論の前提の問いなおしⅡーー植物状態の患者に対する医療の進展  (7)日本と世界の現状と推進構造Ⅰーー医療経済 (8)日本と世界の現状と推進構造Ⅱーー生権力 (9)「人間の尊厳」とは何か
授業の方法
 講義形式をとる。ただし、受講者数によってはゼミ形式に変更することもある。  教科書は使用せず、資料コピーやレジュメを配布する。映像資料も用いる。参考文献は適宜紹介する。
成績評価方法
 開講講義(ガイダンス)時に行うアンケート調査の提出を条件として、原則的には〈学期末試験100%〉で評価する。ただし、受講者数によっては試験をレポートに変更することもありうる。ゼミ形式となった場合は、〈レジュメ発表〉ないし〈学期末レポート〉とし、両者の比重は開講講義で説明する。
教科書
使用しない。
参考書
児玉真美『死の自己決定権のゆくえ』(大月書店、2013年)。 小松美彦『「自己決定権」という罠』(言視舎、2018年)。 盛永審一郎監修『安楽死法ーーベネルクス3国の比較と資料』(東信堂、2016年)
履修上の注意
以上はあくまでも計画概要であり、授業の順序や細部に関しては変更もありうる。 受講希望者は開講講義(ガイダンス)に必ず出席すること。
その他
紹介した参考文献などを積極的に読むことが望まれる。