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最終更新日:2024年4月22日
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先端医療と死生観
安楽死・尊厳死と生権力
近年、世界的に安楽死・尊厳死が推進されている。しかも、それらの言葉が使用されないまま推進される傾向にある。たとえば、アメリカでのPLOST(Physician Orders for Life Sustaining)、カナダでのMAID(Medical Assitance/Aid in Dying)であり、日本での「終末期医療」や「人生の最終段階における医療・ケア」である。もはや安楽死・尊厳死は、私たちがイメージしがちな「安らかに死ぬ」というものとは異なり、一定の人々に対するいわば死の強制にほかならないものになりつつあるのだ。
本講義では、日本と世界のこのような現状に鑑み、安楽死・尊厳死について多角的に検討し、それらが推進される構造を生権力(ミシェル・フーコーが示した権力概念)と医療経済の観点から分析する。そして、こうした考察作業を通じて、「人間にとって死とは何か」「人間の尊厳とは何か」を探究する契機を獲得する。
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