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最終更新日:2025年4月21日

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薬物動態制御学

薬物動態制御学
本講義では、薬効や副作用・有害作用を体内動態から定量的に理解する手段としての薬物速度論を解説する。薬物動態を決定する消化管吸収、肝臓や腎臓における排泄、血液中における蛋白結合を速度論パラメーターで表し、物質収支式に基づいて投与経路ごとに薬物動態がどのように表せるか解説する。その発展として、クリアランス理論に基づいて分子実体を伴った生理学的薬物速度論に基づいた薬物動態の考え方を解説し、これらのパラメーターが変動した際の薬物動態の変動を理論的に推定する方法論を学ぶ。線形動態だけではなく、蛋白結合、代謝・排泄における非線形性、その結果として生じる薬物動態の非線形性を学ぶ。
これらの講義から、薬物の生体内運命を理解するために、吸収、分布、代謝、排泄に関する基本的知識とそれらを薬物速度論に基づいて、定量的に解析するための基本的技能を習得する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
1011147
FPH-SH2404L1
薬物動態制御学
楠原 洋之
A2
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
薬学部
授業計画
1.薬物速度論の概論 2.コンパートメントモデルに基づいた体内動態解析法 2-1.物質収支式の構築とその解法 2-2.投与ルート依存性ならびに入力関数と伝達関数 2-3. バイオアベイラビリティを決定する要因について 2-4.多コンパートメントからなる体内動態モデル 3. モデルによらない体内動態解析法(モーメント解析) 4.クリアランス理論に基づいた体内動態解析法 4-1.クリアランス概論 4-2.全身・組織クリアランスと固有クリアランスとの関係 4-3.モデル依存性とクリアランスにおける律速段階 4-4.血液中・組織中での蛋白結合と分布容積との関係 4-5.体内動態パラメーターの変動と血中濃度の変動に関する定量的考察 5.医薬品の排泄経路と臓器クリアランス 5-1.肝での医薬品排泄メカニズムとクリアランス 5-2.腎での医薬品排泄メカニズムとクリアランス 6.体内動態の非線形性 6-1.蛋白結合の非線形性 6-2.肝代謝・排泄の非線形性と肝クリアランス、肝初回通過効果の非線形性 6-3.腎排泄の非線形性と腎クリアランスの非線形性 7. 医薬品体内動態を支配する分子実体について 7-1. 肝臓での薬物の代謝・排泄の分子機構 7-2. 腎臓での薬物排泄の分子機構 7-3. 薬物の消化管吸収機構 7-4. 薬物組織移行の分子機構(血液-関門組織の透過性も含む) 8. 生理学的薬物速度論モデルおよび薬効・有害作用を体内動態から定量的に推定する方法論(PK-PD解析)
授業の方法
講義(一部の時間を演習にあてる)
成績評価方法
定期試験(100%)
教科書
毎講義ごとにプリント教材をITC-LMSにて公開 「パートナー薬剤学」(原島秀吉 他編 南江堂)
参考書
薬物動態のイロハ  加藤基浩著 南山堂 臨床薬物動態学 家入一郎、楠原洋之編 南山堂 医薬品開発における薬物動態研究 杉山雄一編 じほう ファーマコキネティクス―演習による理解 杉山雄一、山下伸二、加藤基浩編 南山堂
履修上の注意
なし
その他
○本授業科目と関連する科目名 等 前期課程: 総合科目「薬学研究の最前線 I, II」 後期課程: 製剤設計学、薬学実習III ○薬学教育モデル・コアカリキュラムとの関連 等 [C4 生体分子・医薬品の化学による理解](2)生体反応の化学による理解 [C8 生体防御と微生物](1)身体をまもる [E4 薬の生体内運命](1)薬物の体内動態、(2)薬物動態の解析 ○東大独自の薬学専門教育に相当する内容(コア・カリキュラム以外の特記事項) 薬学アドバンスト教育ガイドライン(例示)の内容も併せて講義する。 アドE4-①-1,2,5 ○オフィスアワー 設定しない。事前にメール等で連絡すること。