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最終更新日:2026年4月20日
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高等教育の歴史
歴史から考える高等教育の多様性——大学と専門教育、成人教育
この授業では、歴史文献を踏まえつつ、高等教育と呼ばれるものの多様な姿を考察する。高等教育は中等教育のあとの教育を意味し、大学教育だけに留まらない。現代でもフランスにはグランド・ゼコール(Grandes écoles)という、将来の官僚や政治家候補を多く育成する大学以外の組織がある。また、各種専門学校や、成人が自由に参加出来る市民講座も高等教育の一種である。とはいえ時間の制限があるため、授業においては主に日本の最初の西洋型大学といえる東京大学の成り立ちを扱う諸文献を通じて、大学と専門学校の違いや、各国ごとの大学制度の違いなどを確認する。何故なら、19世紀に由来を持つ東京大学はその初期において、いわば専門学校的な組織の集合体として生まれたのだし、イギリス、フランス、ドイツなど異なる地域の制度的要素を借用し、取り込んだハイブリッドな存在でもあった。また、大学の授業だけではなく、学生寮も学生の学びには重要であった。東京大学については数多くの研究が存在するが、本授業ではとりわけ、東京大学においては周縁的な立場に置かれていた科学史家の中山茂(1928-2014)の記述を参考にする。また、並行して制度に囚われない成人教育の事例についての講義や、外部講師による講演やディスカッションも行う。
高等教育は時に、怪物的な影響力を社会に対して行使する。前述の中山は、日本の戦前の非軍人エリート育成の場であった帝国大学と、軍部・軍閥の人材養成機構をそれぞれ、海の怪獣リヴァイアサンと、陸の怪獣ビヒモスになぞらえた。中山の生きた時代にはビヒモスが瀕死の重傷を負っていたが、現代はどうだろうか。また、制度に囚われない高等教育の役割と可能性は何だろうか。本授業を通じて、受講生は高等教育についての基本的な考えを身につけつつ、社会的な視野で高等教育を考察できるようになるはずである。
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