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最終更新日:2025年4月21日

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公認心理師に関係する法律と制度(関係行政論)

公認心理師に関係する法律と制度(関係行政論)/ Legal and Administrative System of Licensed Psychologists
 公認心理師及び臨床心理士などの心理職が心理支援を行う際に、さまざまな法律と行政上の施策等が関係する。心理支援は、①保健医療分野、②福祉分野、③教育分野、④司法・犯罪分野、⑤産業・労働分野の5分野に大きく分けることができる。また、これらの分野をまたいで横断的に対応する必要がある心理支援もある。発達障害や自殺、虐待などの課題である。さらに、5分野に含まれない、その他の分野として、施設開業の心理相談室等の活動もある。これらの心理支援を行う上で、どのような法律が関係するのか、法律も含めてどのような施策や制度が設定され展開されているのか、どのような歴史的経緯で法律や制度が構築されどのような課題を有しているのか等を学んでいく。また、これらの分野や課題別の法律や制度の基盤となる、日本国憲法や公認心理師法などの基盤的法制度やその理念への理解も重要となる。この授業で扱う内容は、公認心理師が身に付けておくべきコアコンピテンシーの中で、「プロフェッショナリズム」「多様性と個別性」「多職種協働/学際的な考え方」が主に関連する。
 この授業では、心理支援を行うものが必ず知っておくべき法律と行政的な仕組みについて学修するが、具体的な事例についてディスカッションする機会も設け理解を深める。 心理支援に関する法律や諸制度を学ぶことで、心理専門職を目指す人はもちろん、一般就職をする人も、将来社会人となった時によりよく社会参加していく上で、その知識や時代背景の理解が役立つであろう。家族や友人、知人が心理支援を必要とした時の諸制度の利用、家庭を持ち子育て含め地域生活を営む際に受けることのできる行政、福祉、教育サービスへの理解を深めることで、自らの人生をよい形で展開することにも貢献するであろう。
  なお、この科目は、公認心理師資格を取得するために必要な科目にも位置付けられる。
<到達目標>
1)心の支援に関連する法律や制度の全体像を、国民からの期待や社会的使命をふまえて説明できる。
2)公認心理師を含めた心理職が活動する上で出会う特に5分野における法律や制度を把握し、具体的な
  役割を認識できる。
3)公認心理師が重要かつ難しい臨床判断をする上で、必要な法律や制度の知識の有効活用について
  説明できる。
4) 法律や制度の知識や制度を活用し、多職種の専門家や行政、関係者、一般市民との、意義深い協働
  について説明できる。
5)心理支援に関する法律や制度の現状や課題を理解した上で、要支援者の心情を理解し自己決定への
  寄り添いを、心理支援の本質として認識できる。
6) 心理支援に関する法律や制度の現状と課題を理解し、望ましい心理支援に関する制度設計に関する
  自らの意見を持つことができる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09255407
FED-DS3404L1
公認心理師に関係する法律と制度(関係行政論)
元永 拓郎
W
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
【第1回】 ・ガイダンス/・法律と倫理の総論 *グループワークディスカッション 【第2回】 ・公認心理師法について 【第3回】 ・医療全般における法律と制度(保健医療分野①) 【第4回】 ・精神科医療における法律と制度 (保健医療分野②) 【第5回】 ・保健活動における法律と制度(保健医療分野③) *グループワークディスカッション 【第6回】 ・児童福祉における法律と制度(福祉分野①) 【第7回】 ・障害者における法律と制度(福祉分野②) 【第8回】 ・高齢者における法律と制度(福祉分野③) *グループワークディスカッション 【第9回】 ・教育における法律と制度 (教育分野①) 【第10回】 ・教育における法律と制度(教育分野②) *グループワークディスカッション 【第11回】 ・非行矯正における法律と制度 (司法・犯罪分野①) 【第12回】 ・犯罪及び犯罪被害における法律と制度(司法・犯罪分野②)       *民事における法律と制度を含む 【第13回】 ・産業労働における法律と制度 (産業・労働分野) 【第14回】 ・ いのちに関する法律と制度、倫理 【第15回】 ・まとめと展望
授業の方法
パワーポイントと配布資料を基にした講義をベースにして、ディスカッション及びグループワークを行い、理解を深める。授業に通底するのは、心理職とは何者か、その本質とは何か、専門性とはどういうものなのか、という問いである。その問いを、法律や制度、そしてそれらの成り立ち、現状と課題を通して、議論を深める。
成績評価方法
授業内で求めるリアクションペーパー40%、小テスト20%、課題レポート40%
教科書
元永拓郎編(法律監修 黒川達雄) 公認心理師の基礎と実践シリーズ-㉓関係行政論[第3版] 遠見書房
参考書
津川律子・元永拓郎 編著 心の専門家が出会う法律[新版] 誠信書房 津川律子・元永拓郎 編著 心理臨床における法・倫理・制度 放送大学教育振興会
履修上の注意
 公認心理師及び臨床心理士として社会で活動する上で、関連する法律の知識と行政が行う施策の理解は必須のものとなる。 また、心の支援に関する法律や制度を体系的に学ぶことで、社会人となった後に、心の支援を有効に利用することにつながる。また周囲の人に、そのような制度の活用を勧めることもできるであろう。よき社会人として生きるための基本的知識として、法律および制度を位置づけることができる。
実務経験と授業科目の関連性
担当教員は、大学受験予備校、語学専門学校での心理カウンセラー、医学部付属病院精神神経科での心理職、大学附属相談施設での心理職、企業での心理カウンセラーなどの臨床実務経験を有している。それらの臨床実務において出会う法律や制度について説明を加える。