学部後期課程
HOME 学部後期課程 ムーブメント・スタディーズ
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年10月1日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

ムーブメント・スタディーズ

ムーブメント・スタディーズ Movement Studies
本講義では、身体の動きを経験、観察し、そこに現れるムーブメントをいかに言語化し理解するかを体験的に学習する。また、身体の動きにまつわる現象がいかに様々な学術分野で扱われる研究問題へと開かれているかを理解し、ムーブメントに関連する実践と研究を行うことの意味と課題を学ぶ。
この講義は一般的な意味合いでのダンスの技術や創作を指導するものではなく、受講に際してダンスの分野での経験や知識を必要としない。講義では、個人またはグループで実際に動いて創作的な課題に取り組むが、その目的は様々なムーブメントを通して運動感覚と意識的につながる事で言語化を促す点にあり、身体能力の向上や作品制作を目的とした振付法の指導を目的とするものではない。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09249917
FED-IE3602P1
ムーブメント・スタディーズ
安藤 卓
S1
木曜3限、木曜4限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
本講義には3つの目的がある。 1. ムーブメントの実践と研究を行う際に現れる問いについて体験的に理解する。 2. 問いを他の学術分野からの概念と方法論を用いて言語化する能力を養う。 3. 自身の専門分野と結びつけて問いを展開する。 その目的を達成するために、講義ではムーブメントの実習とともに、グループでの分析と考察、ディスカッションを行う。下に記載した講義内容は、講義全体の進度を検討した上で必要と判断されれば統合、もしくは順番の変動がある。 ①イントロダクション 【The object of study】 ②動きを経験する 【Experiences in movement】 ③動くという行為 【Movement and action】 ④動きと身体 【Movement and moving body】 ⑤動きと感覚 【Movement and senses】 ⑥動きについて考える 【Questions about movement】 ⑦動きについて考える2 【Questions about movement 2】 実習ではグループ、ペア、個人で課題に取り組み、創作したムーブメントを発表する。それらの発表は受講者の理解を確認するための方法であり、個人の身体能力や技術、成果物の芸術性について評価することはしない。
授業の方法
講義は、実践と研究という2つの視点を身につける目的から、前半での体験的な実習、後半での他分野の理論を用いた考察とディスカッションで構成される。7回の講義が終了した後にレポートの提出が求められる。また、講義全体の展開を検討した上で事前課題の配布、小レポート提出の実施を判断する。実習では実験的な創作を通して動きを経験し、グループで問いを共有する。ムーブメントの実践と研究における問いがどのような形で展開され、他の学術分野に貢献しうるかを議論する。
成績評価方法
以下の内容を中心に総合的に評価をする。 ①講義で行われる実習とディスカッションへの積極的な参加 ②実習での体験を通して得た理解、問いの言語化 ③講義後のレポートの提出 講義内容の理解度は、一般的な意味合いでの「身体表現」のデモンストレーションの完成度から判断することをしない。また「芸術性」や、いわゆる「ひらめき」をもとに評価することをしない。動きの体験がいかに言語化され、ディスカッションとレポートを通して「言葉で」表現されたかを評価のポイントとする。その理由から受講を希望する参加者には前半の実習と後半の分析・考察・ディスカッションの両方への参加が求められ、前半のみ、後半のみの参加は認めない。また講義の聴講(単位取得目的ではない参加)は認めない。
教科書
関連資料は講義内で紹介する。
参考書
アントニオ・R.ダマシオ(2010)『デカルトの誤り─情動、理性、人間の脳』(田中三彦 訳)筑摩書房 ダン・ザハヴィ(2015)『初学者のための現象学』(中村拓也訳) 晃洋書房 ダン・ザハヴィ(2017)『フッサールの現象学』(工藤和男訳)晃洋書房 中島那奈子(2019) 『老いと踊り』勁草書房
履修上の注意
本講義の目的は一般的な意味合いで理解されるダンスの創作や発表ではない。受講に際してダンスの経験は必要としないが、毎回行われるムーブメントの実習への参加は必須となる点を理解すること。講義内での発表では、創作された成果物の芸術性や作家性は評価の対象にしない点を理解し、参加する全ての学生の学習経験を互いに尊重する姿勢が求められる。身体の動き、ムーブメントは当事者の身体感覚やボディイメージと結びつく極めて個人的なものと考える。その理由から講義の録画・録音は認めない。受講希望者多数の場合は抽選等を行う。
実務経験と授業科目の関連性
イギリスの学術研究団体での創作と研究活動が認められ、ダンス創作法の分野で博士号を取得後卒業する。ラバンメソッドの実践における専門技能を認定する「コレオロジカル・スタディーズ特別技能者ディプロマ」を優等賞取得で修了する。