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最終更新日:2024年4月22日

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教育と社会

 本講義では、「格差」というキーワードから、教育という現象が社会の中にあり、社会的に構築されるという見方を養うことを目的とする。特に近代学校教育は、国民国家の発展や労働者の育成など、「社会」が求めることで生まれ、その形も時代とともに変化してきた。学校教育はいびつで多様な「社会」の中に埋め込まれているがゆえに、機会均等や平等であるという期待とは異なり、様々な「格差」が現れ、「格差」を生み出す装置になってしまっている。
 本講義では、こうした教育をめぐる「格差」について、特に今日問題となっているテーマを取り上げ、実際に格差を示すデータを見ながら教育への教育社会学的見方を養っていきたい。具体的には子どもの出身階層間、公立学校間、学校階層間、ジェンダー、エスニシティなど、格差を生み出す境界線・分断線への理解を深める。また、本講義が教職課程であることにかんがみ、こうした格差に対する教師の存在への理解を促す内容を各講義のテーマとしていく。社会の中に教育が現れることを知ることによって、例えば「問題児」といったレッテルを貼られ、自己責任化されていた子どもの「問題」が、実は大きな社会問題に埋め込まれた事がらであったことが分かるようになるだろう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09249203
FED-IE1601L1
教育と社会
中村 知世
S1 S2
水曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
第1回 イントロダクション 第2回 教育は社会の中で行われている 第3回 教育と社会階層 第4回 学校間格差 第5回 高校階層構造 第6回 社会的存在としての教師 第7回 教師-生徒関係 第8回 子育てと格差 第9回 非行と学校教育、 第10回 進路選択と大学進学 第11回 ジェンダー・セクシュアリティと格差 第12回 移民の子どもたち 第13回 部活動の諸問題、不登校・いじめ問題
授業の方法
各回の授業のテーマに基づき、教科書の指定部分をあらかじめ読んでくることを前提として進める。授業では初めに、前回授業に対するコメントへのフィードバックを行っていく。その後、各回の授業の主テーマに関して、教科書の補助的な解説や追加的な資料を提示し、より詳しい理解を促す。また、授業中には積極的に履修者同士にディスカッションや意見共有を求める。
成績評価方法
・各回のコメントペーパー:20% ・期末レポート:80% 以上の割合で成績評価する。
教科書
中村高康・松岡亮二編, 2021, 『現場で使える教育社会学:教職のための「教育格差」入門』ミネルヴァ書房
参考書
ケン・プラマー(赤川学監訳),2021,『21世紀に生きるための社会学の教科書』筑摩書房
履修上の注意
授業開始前までに、教科書の指定の部分を読んでおくことを必須とする。各章末にある、ツイート課題やレポート課題を復習として取り組むことを求める。