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最終更新日:2024年4月22日

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比較社会学の方法

比較社会学の方法
社会学は、もし異なった社会的・歴史的環境に置かれていたら、今の自分とは異なる価値判断をしていたかもしれないという想像力を比較によって喚起する。この比較には様々な単位がありうるが、本講義では国民国家を単位とした比較における日本社会の特徴に焦点をおき、その理論化と実証のための方法を先行研究から学んでいく。根拠のない特殊性論や文化還元主義的トートロジー、あるいは自覚なく欧米中心主義や計量帝国主義に依拠することの問題点を理解できるようになることが目標である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09242404
FED-SS3204L1
比較社会学の方法
多喜 弘文
S1 S2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
第1回:イントロダクション:何のために比較するのか 第2回:日本社会は特殊か 第3回:欧米の研究者からみた日本の教育 第4回:国内の研究者からみた日本の教育 第5回:欧米の研究者からみた日本の労働 第6回:国内の研究者からみた日本の労働 第7回:教育・労働の日本的特徴にかんする先行研究の問題点 第8回:制度的相補性について 第9回:日本特殊性論に対する批判 第10回:計量的な比較研究の紹介 第11回:オリエンタリズムを乗り越える 第12回:比較社会学の方法:理論と実証 第13回:まとめと期末課題について
授業の方法
授業は、教員による講義を中心にしつつ、受講学生による議論を組み合わせる形式でおこなう。いくつかの回では、事前に指定された文献を読み、講読票を提出したうえで授業に参加してもらう。また、いくつかの回では、講義内容と授業での議論を踏まえて感想を提出してもらう。
成績評価方法
上述の①講読票、②コメントシートに加え、③期末レポートの提出を課す。また、④授業への積極的な参加についても一定程度加味する。以上4点の評価のウェイトは、①3割、②3割、③3割、④1割である。
教科書
授業で用いる文献は、授業内に指示する。
参考書
授業で中心的に取り上げる文献のうち、書籍として出版されているものを以下に挙げる(おそらく手に入りにくいものもある)。 エミール・デュルケーム,1897=1985,『自殺論』中公文庫.ルース・ベネディクト,1946=1948,『菊と刀:日本文化の型』講談社学術文庫.ジェームズ・アベグレン,1958=2004,『日本の経営<新訳版>』日本経済新聞社.中根千枝,1967,『タテ社会の人間関係:単一社会の理論』講談社現代新書.ウォルター・ワラス,1971=2018,『科学論理の社会学:「ワラスの輪」というモデル』ミネルヴァ書房.ロナルド・ドーア,1973=1993,『イギリスの工場・日本の工場:労使関係の比較社会学(上・下)』ちくま学芸文庫.ウィリアム・カミングス,1980=1981,『ニッポンの学校:観察してわかったその優秀性』サイマル出版会.杉本良夫・ロス・マオア,1982,『日本人は「日本的」か?』東洋経済新報社.トーマス・ローレン,1983=1988,『日本の高校:成功と代償』サイマル出版会.中村高康・藤田武志・有田伸編,2002,『学歴・選抜・学校の比較社会学:教育からみる日本と韓国』東洋館出版社.陳光興,2010=2011,『脱帝国:方法としてのアジア』以文社.多喜弘文,2020,『学校教育と不平等の比較社会学』ミネルヴァ書房.メアリーブリントン,2022,『縛られる日本人――人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか』中公新書.
履修上の注意
指定がある場合には事前の文献購読や講読票の提出を求める。