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最終更新日:2025年4月21日

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科学・技術の思想史

無知学/アグノトロジーと教育
無知学/アグノトロジー(agnotology)とは「私たちは何を知らないのか」を問う営みであり、科学史や科学社会学の分野で探究されてきた。無知学の考え方を使うと、科学的な発見が積み重ねられる対象とそうでない対象とで偏りがあることや、何らかの意図で学習や研究が阻害された事例があることなど、様々なことがわかってくる。また、その一方で社会には「知らない方がいいこと」も存在するとされている。この授業ではまず、無知学を論じた論文や、関連する事例を分析した文献を講読することを通じて、無知学の考え方を理解することを目指す。次に、無知学の考え方は教育にどのような示唆を与えるかをディスカッションなどを通じて考察する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09241306
FED-BT3102S1
科学・技術の思想史
隠岐 さや香
S1 S2
月曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
暫定的に以下を示す。受講生との相談の結果変えることもある。4回目以後は基本的に文献講読を想定している。 1 イントロダクション 無知学とは何か 2 無知学と科学史・科学論 3 教育史にとっての無知学 4 知識と無知(1) 5 知識と無知(2) 6 軽視もしくは見落とし(1)エスニック・マイノリティ 7 軽視もしくは見落とし(2)女性 8 軽視もしくは見落とし(3)性的少数者、障害者 9 戦略的な無知の創出(1)軍事技術 10 戦略的な無知の創出(2)健康 11 戦略的な無知の創出(3)環境 12 有徳な無知 13 総合討論
授業の方法
講義の回と発表の回で構成される。発表の回においては、担当者が教科書および参考文献等の内容を踏まえて発表し、その後全体でディスカッションを行う。詳細は授業の初回に説明する。
成績評価方法
平常点(毎時授業の出席状況および議論への貢献度)および担当報告の総合評価とする(前者50%、後者50%)。発表を行わなかった者はレポート課題を課す。
教科書
開講時に課題文献を適宜配布する
参考書
『現代思想』特集=無知学/アグノトロジーとは何か—科学・権力・社会—、2023年6月号 鶴田想人・岡本江里菜・大野康晴・中屋敷優・岡井ひかる「無知学̶̶その展開と最新の事例」『科学史研究』61巻、2022年、281−287頁。 ロバート・N・プロクター『がんをつくる社会』平澤正夫訳、共同通信社、2000年 ロンダ・シービンガー『植物と帝国―抹殺された中絶薬とジェンダー』工作舎、2007年 ナオミ・オレスケス+エリック・M・コンウェイ『世界を騙しつづける科学者たち』福岡洋一訳、楽工社、2011年、上下巻。 ヤーデン・カッツ『AIと白人至上主義 人工知能をめぐるイデオロギー』庭田よう子訳、左右社、2023年 Robert N Proctor, Londa Schiebinger eds, Agnotology: The Making and Unmaking of Ignorance, Stanford University Press, 2008. その他受講時に適宜紹介する
履修上の注意
初回の授業時に分担等を行う予定なので参加出来ない場合は連絡して下さい。
その他
重要事項は適宜UTOLで告知する
実務経験と授業科目の関連性
特にない