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最終更新日:2025年4月21日

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フェミニズム理論

フェミニズム理論
 フェミニズム理論は、1960年代後半に登場した第二波フェミニズム(女性解放運動)の運動と思想をもとに発展してきた知識の枠組です。当初は、女性学(Women’s Studies)と呼ばれる学問領域の中で、主に男女間の不平等や格差の検証に焦点をあて、伝統的な学問分野の男性中心性が明らかにし、説明するための道具立てとして用いられてきました。その後1980年代になると、男性や男性性の経験に焦点をあてた研究も行われるようになり、男性学(Men’s Studies)という専門領域の登場にも寄与します。
 ところが、女性学とそれに続く男性学がアカデミックな探求の専門領域として確立された1980年代後半、ポストモダニズムやポスト構造主義などの理論が進行した結果、「女性」や「男性」を別々の一元的なカテゴリーとして捉える考え方に疑問が突きつけられることになります。これにより、「女性学」や「男性学」という用語は論争の的となり、それらの存在理由が大きく揺さぶられることになりました。「女性学」や「男性学」に代わるものとして、「ジェンダー論」という名称が好まれるようになった理由の一端はここにあります。
 こうした経緯を経て、現在フェミニズム理論は、男女間だけではなく女性間・男性間に存在するさまざまな不平等や格差を捉える認識枠組みとして展開されています。本授業では、フェミニズム理論が登場・発展した歴史的背景に加え、現代社会において生じているさまざまな不平等や格差を批判的に捉える際に有用な概念や議論を紹介します。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09239905
FED-IE3602L1
フェミニズム理論
星加 良司
A1 A2
木曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
1 ガイダンス&イントロダクション 〈Part1:フェミニズム理論の基礎概念〉 2 フェミニズムの「波」: 女性参政権運動から女性解放運動へ 3 ジェンダー「平等」:三つの視点 4 合理的配慮とポジティブ・アクション 5 公私二元論とジェンダー分離 6 アンペイド・ワーク 7 セクシュアリティとポルノ論争 〈Part2:インターセクショナル・フェミニズムの視点〉 8 フェミニズムと人種差別 9 フェミニズムと優生思想 10 第二波フェミニズムを捉え直す 11 トランスジェンダー・フェミニズム 12 ポスト・フェミニズムの時代
授業の方法
・対面で実施します。 ・Part1では、70分程度の講義の後、LMSに講義の要旨(ポイント)やコメントを書き込む時間をとります。状況に応じて、グループ・ディスカッションをすることがあるかもしれません。 ・Part2では、文献購読を中心に授業を実施します。購読する文献は、カイラ・シュラー『ホワイト・フェミニズムを解体するーインターセクショナル・フェミニズムによる対抗史』です。
成績評価方法
1)平常点 40点 2)中間レポート 25点 3)期末レポート 35点
教科書
Schuller, Kyla. 2021, The Trouble with White Women: A Counterhistory of Feminism, Bold Type Books.=カイラ・シュラー(川副智子訳、飯野由里子監訳)『ホワイト・フェミニズムを解体するーインターセクショナル・フェミニズムによる対抗史』明石書店、2023年
参考書
清水晶子『フェミニズムってなんですか?』文春新書、2022年 和泉真澄他『私たちが声を上げるときーアメリカを変えた10の問い』集英社新書、2022年
履修上の注意
・講義は、パワーポイントを投影しながら行いますが、プリント(パワーポイントを印刷したもの)は配布しません。パワーポイントのデータは授業の前日の夜までにLMSにアップします。必要に応じて各自ダウンロード・印刷し、授業に持参してください。 ・文献購読を行う回があります。受講生には指定文献を事前に読み、内容を理解した上で授業に参加することが期待されます。