学部後期課程
HOME 学部後期課程 子どもの歴史社会学
過去(2021年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月22日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

子どもの歴史社会学

現代日本の子ども問題を考える社会学的視角
 「子どもは社会の鍵」「もっと子どもを尊重せよ」「子どもでも厳罰を与えよ」「子どもと大人の境は何か」「子どもらしくない子どもが増えた」「多様な子どもを認めよ」…。このような矛盾含みの現代の子どもをめぐる議論の錯綜を読み解く視角を歴史に探る。
 フィリップ・アリエス『〈子供〉の誕生』以降、子どもを保護し教育するという子ども観は近代的なものだという理解は定説となっているが、その大まかすぎるテーゼを現代に向けてどう応用できるのか。、また、家庭、学校教育、児童福祉等にまたがり、生物学的な身体とも結びついて直感的に運用されている「子ども」という社会的カテゴリーをどう捉えるのか。ヨーロッパの子ども史を参照しながら、子ども観の近代を概観したのち、明治期以降の近代日本の子どもと子ども観の歴史を紹介しつつ、その分析のための歴史社会学的視座とともに検討していく。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09212403
FED-SS3204L1
子どもの歴史社会学
元森 絵里子
S1 S2
金曜2限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
1 イントロダクション――受講生の子ども観 2 子ども観の歴史性――アリエステーゼをめぐって 3 子ども観の近代①――欧米の子ども史から 4 子ども観の近代②――欧米の子ども史から 5 子ども観の近代③――子ども史・子ども社会学から 6 子ども観の近代④――近代日本へ 7 教育における「児童」――尊重か統制か 8 司法における「少年」――保護・教育か責任か 9 児童保護と多様な論理①――児童労働をめぐるポリティクス 10 児童保護と多様な論理②――あからさまな別の論理 11 多様な子どもの潜在化――戦後福祉国家と子ども期の画一化 12 子ども観の問い直しの時代――近代批判・学校化批判の構図 13 現代日本の子ども観――多様性の再発見の時代の中で 14 子ども観の社会学的視座 ――まとめにかえて
授業の方法
講義(ただし、コメント課題を通しての参加を要求する。また、受講時のアンケートへの応答やコメント課題へのフィードバックなどを通して教員と受講生の間の双方向性を確保する。)
成績評価方法
毎回のコメント課題10% + 期末レポート90%
教科書
指定しない
参考書
元森絵里子 2014 『語られない「子ども」の近代:年少者保護制度の歴史社会学』勁草書房 元森絵里子・南出和余・高橋靖幸編 2020 『子どもへの視角:新しい子ども社会研究』新曜社 プラウト, A. 2005=2017 『これからの子ども社会学:生物・技術・社会のネットワークとしての「子ども」』新曜社 その他、授業時に紹介する
履修上の注意
予備知識は必要としない。 授業内でアンケート回答などを要求することがある。 授業終了後のコメントを14回中10回以上提出することをレポート提出の条件とする予定。