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最終更新日:2024年4月22日

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教授・学習心理学概論(教育・学校心理学)

教授・学習心理学概論
教授・学習にかかわる認知プロセス,小学校~高校の授業における教授・学習のプロセス,それに関連する子どもの発達のプロセス,それらの学習や発達を促進する学習方法について一人一人の学習者の視点から心理学的に明らかにする。それらの心理学的知見をもとに,子どもの学力やリテラシーの形成に有効な各教科の学習内容や学習方法の構成についても検討する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
09206102
FED-EP3401L1
教授・学習心理学概論(教育・学校心理学)
藤村 宣之
S1 S2
木曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学部
授業計画
第1回:世界における教育の動向と教授・学習心理学の意義 第2回:子どもの学力の心理学的分析①(数学的・科学的リテラシー,概念的理解) 第3回:子どもの学力の心理学的分析②(読解力,無答率,学習観,手続き的知識) 第4回:教授・学習のベースとなる発達プロセス①(発生的認識論,構成主義) 第5回:教授・学習のベースとなる発達プロセス②(素朴理論,概念発達) 第6回:教授・学習に関わる認知的プロセス①(知識獲得,熟達化,初心者と熟達者) 第7回:教授・学習に関わる認知的プロセス②(発見学習,有意味受容学習,認知的葛藤,探究) 第8回:教授・学習に関わる認知的プロセス③(社会的相互作用,他者,協同過程) 第9回:授業を通じた個人の変化と学習方法①(既有知識,概念変化,方略変化) 第10回:授業を通じた個人の変化と学習方法②(協同的探究学習,教科学習) 第11回:授業を通じた個人の変化と学習方法③(授業過程,教育評価) 第12回:授業を通じた長期的変化(個人内変化,自己説明,記述型課題) 第13回:教授・学習心理学の展開(社会性の発達,発達と学習の関連)
授業の方法
学校の授業における教授・学習のプロセスや,それを基礎づける発達や認知のプロセスについて,教科書に記載されている具体的な研究事例をもとに理解し,さらに,それにもとづく学習方法や学習内容の構成について,教科書に記載されている心理学的実践研究を中心に考察を深める。
成績評価方法
最終レポート(期末レポート),授業時の小レポート①②③,授業への参加状況を総合して行う。 【最終レポート(期末レポート)】(7/31(金)17:00 ITC-LMS 提出締切)  「①概念的理解の深化メカニズムと②それを促す学習方法について,学習理論や発達理論などと関連づけながら考察してください。①②については先行研究を引用しながら根拠にもとづいて記述し,さらに②では具体的に教科・単元を設定して説明してください。」 (A4用紙:3枚以上) ・フォーマットはITC-LMSでダウンロード (40字×32行 余白:上のみ35mm 下左右30mm   10.5ポイント,フォント:MS明朝,Times New Roman)
教科書
『協同的探究学習で育む「わかる学力」-豊かな学びと育ちを支えるために』(藤村宣之・橘春菜・名古屋大学教育学部附属中・高等学校編著,ミネルヴァ書房,2018年)
参考書
『数学的・科学的リテラシーの心理学ー子どもの学力はどう高まるかー』(藤村宣之著,有斐閣,2012年)),『発達心理学ー周りの世界と関わりながら人はいかに育つかー(第2版)』(藤村宣之編著,ミネルヴァ書房,2019年), 『新しい時代の教育方法(改訂版)』(田中耕治・鶴田清司・橋本美保・藤村宣之著,有斐閣,2019年)
履修上の注意
授業内で数回,小レポートも課す予定である。 【小レポート課題①(4/30授業時提示分) 5/12までにITC-LMSで提出してください。】 「ある教科(単元)・校種(学年)を自由に設定して,概念的理解を測るための非定型問題を1問考えてください。そして,その問題に対する多様な考えとして,子どものどのような記述が想定されるか,概念的理解や非定型問題解決として,高い水準にある記述,中程度の水準にある記述,低い水準にある記述の例と,なぜそのように判断するかの根拠を述べてください。(目安はA4用紙1-2枚程度)」 【小レポート課題②(6/4授業時提示分) 6/10 17:00までにITC-LMSで提出してください。】 「児童や生徒が概念的理解を深めるために,他者との協同(collaboration)は有効か,有効であるとすれば,さらにどのような条件が加わるとよいと考えられるか,橘・藤村(2010)の論文の内容をふまえて考察してください。(目安はA4用紙1-2枚程度)」 上記の論文については、以下のURLを参照。 https://www.jstage.jst.go.jp/***** 【小レポート課題③(7/2授業時提示分) 7/8 17:00までにITC-LMSで提出してください。】 「中学生が数学に関する概念的理解を深めるために,本日(7/2)の講義で紹介した数学授業(「カレンダーの秘密(規則性)を探る」:中学校1年生の協同的探究学習)は,どのような有効性と課題を有するか,具体的に考察してください。(教科書では,第7章(p.117-137)に対応) (目安はA4用紙1-2枚程度)」 【履修上の注意点】 2019年度および2017年度以前開講の「教授・学習心理学概論」と同一科目のため、既に単位を修得している場合は本科目の履修を認めない。
その他
【自己学習課題(4/9授業時提示分)提出は不要です。4/16までに各自,取り組んでください】 「OECDによるPISA2018調査の結果(以下のURL)を読んで、日本の高校生の特徴とその背景について考えたことをまとめてみてください。(目安はA4用紙1枚程度)」 https://www.nier.go.jp/***** 【自己学習課題(4/16授業時提示分)提出は不要です。4/23までに各自,取り組んでください】 「上記資料(4/9授業時提示分と同一)を読んで、日本の高校生のリテラシー(読解力,数学的リテラシー,科学的リテラシー)について,この結果からわかることとわからないこと,後者を明らかにするための調査方法や分析方法について考えたことをまとめてみてください。(目安はA4用紙1枚程度)」 【自己学習課題(4/23授業時提示分)提出は不要です。4/30までに各自,取り組んでください】 「ある教科(単元)を設定して,定型問題と非定型問題の例を1問ずつ考えてみてください。そして, その問題の解決にはどのような知識やスキルなどが必要か,どのような解決方法が想定されるか をまとめてみてください。 (目安はA4用紙1枚程度)」 【自己学習課題(5/14授業時提示分)提出は不要です。5/21までに各自,取り組んでください】 「森敏昭(2004) 「心理学が教科教育にもたらしたもの」(https://www.jstage.jst.go.jp/*****)を読んで,1.著者が解説している行動主義(連合理論),認知心理学(認知理論),社会的構成主義(正統的周辺参加など。授業時の位置づけは状況理論)の3つの学習理論のうちの1つを取り上げて,現在の教科教育にどのように寄与しうるかを記述してください。2.著者が示している「能動的学力」とその育成方法について,自身の考えを述べてください。(目安はA4用紙1枚程度) 」 【自己学習課題(5/21授業時提示分)提出は不要です。5/28までに各自,取り組んでください】 「学習についての連合理論(プログラム学習),認知理論(発見学習,有意味受容学習),状況理論(認知的徒弟制)は,①定型問題の解決プロセス,②非定型問題の解決プロセスをそれぞれどのように説明しうるか,自分の考えを述べてください。(目安はA4用紙1枚程度) 」 【自己学習課題(5/28授業時提示分)提出は不要です。6/4までに各自,取り組んでください】 「自分にとって理解が深まったと思う学習について想起し,3つの学習理論(連合理論,認知理論(構成主義,社会的構成主義を含む),状況理論)やそれぞれに対応する学習方法と関連させながら,どうして理解が深まったかについて心理学的に考察してください。(目安はA4用紙1枚程度) 」 【自己学習課題(6/11授業時提示分)提出は不要です。6/18までに各自,取り組んでください】 「経済学領域の児童の素朴理論の特質を明らかにし,素朴理論の精緻化・再構造化を促すための研究として,藤村(2002)が用いている研究方法の特質とそれによって導かれた結果をまとめ,研究方法や分析方法の改善の方向性について自分の考えを述べてください。(目安はA4用紙1枚程度) 」 上記の論文については、以下のURLを参照。 https://www.jstage.jst.go.jp/***** 【自己学習課題(6/18授業時提示分)提出は不要です。6/25までに各自,取り組んでください】 「他者との関わりを通じて理解が深まった経験はこれまでにあったでしょうか。そのような経験があれば、授業時に説明した他者の意義(1.話し手(情報提供者)としての他者,2.聞き手(能動的聴取者)としての他者,3.知識の協同構築者としての他者のいずれか,あるいは複数)と関連づけて,具体的に記述してください。また、なかったとすれば、他者との関わりは理解の深まりに対して有効かどうかについて、自身の考えを書いてください。(目安はA4用紙1枚程度) 」 【自己学習課題(6/25授業時提示分)提出は不要です。7/2までに各自,取り組んでください】 「概念的理解を深めるために,アナロジー(類推)の利用は有効か。具体的な学習経験などにもとづいて考察してください。(目安はA4用紙1枚程度) 」