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最終更新日:2024年4月22日

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高度教養特殊演習(露ウ戦争を理論的に考える)

露ウ戦争を理論的に考える
【概要】
ロシア・ウクライナ戦争(露ウ戦争)の発生から2年が経とうとしている。この間、メディアの報道等を通じて日々の戦局について詳しく知る機会は多くあった。一方、以下のような点については、どうだろうか。「戦争はなぜ起きたのか」、「戦争はなぜ終わらないのか」、「戦争は国際秩序にどのような影響を及ぼすのか」、そして「そもそも戦争をどのように捉えればよいのか」。日々の戦局を追うのに精一杯で(あるいは倦み疲れて)、こうした点を深く考える機会がなかったとすれば、私たちは「木を見て森を見ず」といった状況になってしまっているのかもしれない。戦争が私たちの感情を激しく揺さぶるものである以上、目の前の事態を追いかけるのは自然なことではある。しかし、「森」をも捉えたいと思うならば、国際政治学における理論研究の蓄積を使わない手はない。一般的・抽象的な思考を学んだうえで、それを活かして露ウ戦争という個別的・具体的な事案を少し引いたところから考えたい。本演習は、そうしたニーズに応えるためにある。

【目的】
本演習で学んだ概念と事例を使いこなして、露ウ戦争の構図や原因、対応策を自分の頭で考えられるようになる。

【到達目標】
①学んだ概念に関するキーワードについて正確に説明することができる
②露ウ戦争が起こった原因について、複数のキーワードを比較したり組み合わせたりして体系的に説明することができる
③露ウ戦争が終わらない原因について、複数のキーワードを比較したり組み合わせたりして体系的に説明することができる
④露ウ戦争が国際秩序にもたらす影響について、複数のキーワードを比較したり組み合わせたりして体系的に説明することができる
⑤露ウ戦争の捉え方について、複数のキーワードを比較したり組み合わせたりして体系的に説明することができる
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08X400212
FAS-XA4D02S1
高度教養特殊演習(露ウ戦争を理論的に考える)
中村 長史
S1 S2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
第1回 ガイダンス 【第1部 戦争原因論】 第2回 戦争はなぜ起こるのか①     <キーワード>戦争の交渉理論、争点の分割不可能性、情報不完備問題、コミットメント問題 第3回 戦争はなぜ起こるのか②     <キーワード>強制外交、安心供与外交、安全保障のディレンマ、核抑止と核禁忌 第4回 戦争はなぜ起こるのか③     <キーワード>紛争再発と和平合意 第5回 小括 【第2部 戦争終結論】 第6回 戦争はなぜ終わらないのか①     <キーワード>情報不完備問題、コミットメント問題、国内要因 第7回 戦争はなぜ終わらないのか②     <キーワード>プロスペクト理論 第8回 戦争はなぜ終わらないのか③     <キーワード>「正しい終戦」観の競合 第9回 小括 【第3部 国際秩序論、批判理論】 第10回 戦争は国際秩序にどのように影響するのか①     <キーワード>覇権秩序論、立憲秩序論 第11回 戦争は国際秩序にどのように影響するのか②     <キーワード>英国学派、大国の管理 第12回 戦争をどのように捉えればよいのか     <キーワード>批判理論、戦争データ 第13回 まとめ
授業の方法
各回は、基本的に次のような手順で進行する。①前回の授業に関するコメントシートを踏まえた議論、②キーワード(概念)についての講義、③キーワードを露ウ戦争に適用して考える個人ワーク、④同課題についてのグループワーク、⑤同課題についての教室全体での議論、の5段階である。なお、回によってはゲスト講師(国際政治学者)を招へいする。
成績評価方法
各回のコメントシート(各回のキーワードについて理解できたこと、疑問に思ったこと、さらに知りたくなったことをまとめて提出する)によって評価する。
教科書
開講時に指示する。
参考書
グローバル・ガバナンス学会編、中村登志哉、小尾美千代、首藤もと子、山本直、中村長史=責任編集『ウクライナ戦争とグローバル・ガバナンス』 浅田正彦、玉田大編著『ウクライナ戦争をめぐる国際法と国際政治経済』東信堂 宮脇昇編著『ウクライナ侵攻はなぜ起きたのか 国際政治学の視点から』早稲田大学出版部 以上は一例であり、その他の文献や論文を含んだ詳細なリストを授業内で配布する。
履修上の注意
予備知識は特に求めないが、以下の授業外学習を行なうことを受講条件とする。 【予習】 露ウ戦争に関する年表を確認して、事例について一定程度理解しておく。 【復習】 各回のキーワードについて理解できたこと、疑問に思ったこと、さらに知りたくなったことをまとめたコメントシートを提出する。