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環境エネルギー経済学

国際環境エネルギー経済学「行政と実業の最前線から」 (AI、ロボットに負けない人間力の向上、課題解決能力の向上を目指して)
本授業は、大きく変貌をしている世界情勢の中で、極めて厳しい状況に直面しているわが国経済社会が今後発展していくための方途を探ること、及び聴講生の課題解決能力の向上を図ることを目的としている。
 1.電気、石油、ガスの三大エネルギーは、経済社会に定着して必要不可欠なものとなっており、現代生活においては、いつでも簡単に使えるものとして空気のような、あって当たり前のような存在になっております。しかし、東日本大震災において、これらエネルギーの経済社会における重要性が再認識されました。すなわち、これらエネルギーが無くなると経済社会は立ち行かなるということです。
 以降、国を挙げてエネルギー問題の議論がなされて来ております。マスコミなどを通じて表に出ているのは原子力発電の議論が中心に感じられますが、本問題は、わが国経済社会の在り方のみならず、わが国の安全保障問題にも直結する重要課題であり、実際はもっと幅が広くかつ奥が深い議論がなされております。同時に国際的に地球環境問題も重要課題として議論がなされており,
再生可能エネルギーの開発が進んでおります。エネルギー問題と地球環境問題は表裏の関係にあり、密接に関連して議論がなされております。
 2.エネルギー問題は、その輸入が貿易収支に大きな影響を与え、更には、エネルギーコストの上昇は、経済社会活動に大きなインパクトを与え、国に発展を左右します。加えて、エネルギー資源獲得競争は、紛争を惹起させたり、国際的軍事情勢に影響を与えるばかりでなく、原子力発電政策のあり様により世界の安全保障問題にも大きな影響を与えます。
3.国際環境エネルギー問題の扱い方如何によって今後の明るい我が国の将来像が見えてくると言っても過言ではないと思います。逆に言えば、国際環境問題に関する取り組みを間違えれば、わが国の先行きを不透明にすると言っても過言ではないと思います。
 すなわち、エネルギー問題に上手く対応することによってクールでスマートな日本の実現を図っていくことができると思います。
4. 一方、アメリカのトランプ大統領の出現により、従来正しいと信じられていた新自由主義、グローバリズム、自由貿易といった概念に疑問が呈せられております。アメリカ第一主義の名の下、保護主義的概念が台頭してきております。この背景には様々なものがありますが、一つにはアメリカがシェールガス、シェールオイルの開発生産により、エネルギーの輸入に頼る必要がなくなりエネルギーセキュリティの立場が極めて強固になったことが挙げられます。
 このようにエネルギー情勢の変化は世界の経済社会の価値観やルールに変化をもたらすほど重要なものです。
5. そこで、本講義は、経済社会の帰趨を左右する国際環境エネルギー問題の実情を説明し、近い将来に経済界、官界,政界、学会、マスコミなどにおいて我が国を支えることとなる聴講生が、そのリーダーシップをとるに当たり参考となる考え方の材料を提供することを目的とします。したがって、細かい事象やデータを覚えるのではなく、エネルギーを巡る大きな流れを理解できるよう解説をするとともに最近の国際環境エネルギー関連のトピックスについて質疑応答や議論を行います。
 現役の国会議員をゲスト講師として迎えて、政治家を志した動機や国会を始め政治の世界でのわが国の今後の在り方に関する議論や裏話を披露して頂きます。
 経済産業省においてエネルギー行政の最前線で政策立案に携わっている若手の官僚達を議題に応じて4名程ゲスト講師として迎えて、再生可能エネルギー政策などの実状と政策立案の裏話などを披露して頂きます。
 また、わが国トップの再生可能エネルギー関連のスタートアップ企業の経営者の方をゲスト講師として迎えて、民間企業における実業の具体的な内容や大学在学中に起業した苦労話や成功話などを披露して頂きます。
 6.更にAI、ロボットの進展により人間の仕事がAIなどに置き換わって行く可能性があると危惧されていますが、このような懸念の払拭に資するよう、人間として似コミュニケーション能力や人間らしい判断力、構想力、決断力思いやりなど人間力を磨くための方途につき解説するとともに議論をします。これは、就職活動を行う際に参考になるとともに社会に出て活動をするに際に必要不可欠な課題解決能力の向上に役に立つと思います。
7.後半の授業において、環境エネルギー問題に限らず聴講生からの様々な質問に答える機会を設けます。
8.聴講生を政府、エネルギー企業、マスコミ、消費者にグループ分けをして環境エネルギー問題に関するグループディスカッションを行います。
9. 最後の2回程度は、それまでの講義を踏まえて、聴講生の考える国際環境エネルギー問題を中心とした今後の我が国の明るいビジョンについて意見交換や議論を行います。
10.若手の官僚たちによる、政府における政策立案に際しての裏話などの講義もあることから、教養学部のみならず法学部、経済学部、文学部、工学部の学生にとっても有意義であると考えます。
 講義のポイントは、以下の通りです。
 1.石油、ガスの太宗は中東地域で賦存している。
 2.中東地域は、民族上、宗教上の対立などにより紛争が頻繁に勃発している。
 3.石油、ガスの利権確保などを目的に欧米ロシアなどの列強が中東地域の紛争に加担して、彼ら   の代理戦争の様相を呈している。
 4.我が国は、エネルギーの9割以上を輸入に依存している。
 5.エネルギーが途絶すると我が国経済社会は立ち行かなくなる。
 6.東日本大震災時の福島原発事故を契機に純国産エネルギーであるとともに地球温暖化対策に   貢献する原子力発電に対して反対論が台頭している。
 7.地球温暖化問題への対応が国際的に高まっている。この観点から、再生可能エネルギーの開    発と導入促進が喫緊の課題となっている。
 8.原子力発電がほとんど停止している現状において、代替燃料としての石油、ガスの輸入が大幅   に増大して貿易収支を赤字傾向に悪化させている。
 9.原子力発電の停止により雇用の喪失、地域経済の疲弊、産業構造の変化、経済の悪化傾向が   生じている。
 10.核燃料サイクル政策の帰趨が不明確になったことにより、使用済み燃料の処理問題とプルト   ニウム処理問題が大きな課題となっている。
 11.原子力爆弾に直結する恐れのあるプルトニウム管理問題は世界の安全保障問題として最重   要な課題となっている。
 12.最近のシェールオイルの生産増と原油価格の大幅な低下が世界の政治情勢、軍事情勢に大  きな影響を及ぼしており、世界の国家間の枠組みに変化をきたす恐れが生じている。
 13.アメリカにおけるシェールガス、シェールオイルの開発、生産がトランプ大統領の政策に影     響を与えている。
 14.電力・ガスに自由化、石油産業の再編など我が国エネルギー産業が大変革期を迎えている。
 15.AI、ロボットの進展が人間の仕事に置き換わって行くとの可能性があるが、それを防ぐための  一助として人間らしい判断力、構想力、決断力、思いやりなどの人間力を高めることが極めて重要  である。これを通じて課題解決能力の向上を図ることが重要になっている。
 16.以上のような最近の世界を揺るがす様々な状況変化の下で、今後の我が国の豊かな経済社   会を実現していくために、今後の国際環境エネルギー政策の在り方が極めて重要になっている。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08X1011
FAS-XA2B11L1
環境エネルギー経済学
松井 英生
A1 A2
金曜3限
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教室
21KOMCEE West K401
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
1.エネルギー問題が何故我が国の経済社会の帰趨を左右する重要問題であるかを中心に本講座のねらいと概要について解説する。 2.石油を中心とした世界及び我が国のエネルギー情勢につき解説する。また、地球温暖化問題の本質と狙い(京都会議COP3の舞台裏等)につき解説する。 3.我が国におけるエネルギー需給状況につき解説する。また、我々の身近な生活の中のエネルギーにかかわる事象につき解説する。 4.環境エネルギー政策を構築するにあたっての課題につき解説する。 5.現役の国会議員をゲスト講師として迎えて、国会を始め政治の場でのわが国の今後の在り方に関する議論や裏話を披露して頂く。 6.経済産業省の若手官僚をゲスト講師として迎えて、政策の企画立案に関する実体験に基づく苦労話や成功体験や遣り甲斐などにつきお話し頂く。第一回目は、総合エネルギー政策を中心に解説して頂く。 7.経済産業省若手官僚によるお話の第二回目は、原子力政策を中心に解説して頂く。 8.経済産業省若手官僚によるお話の第三回目は、再生可能エネルギー政策を中心に解説して頂く。第四回目は地球環境問題対策を中心に解説して頂く。 9.エネルギー政策の変遷と現状につき解説をする。また、シェールガスが国際関係などに与える影響につき解説する。 10.アメリカにおけるシェールガス、シェールオイルの開発・生産がトランプ大統領のアメリカ第一主義を生じさせた背景につき解説する。 11.東日本大震災におけるエネルギー関連の対応につき解説するとともに、エネルギー問題が我が国経済社会及び国際経済社会に与える影響につき解説する。 12.再生可能エネルギーを専業とするわが国トップのスタートアップ企業からゲスト講師を招き、再生可能エネルギー産業の最前線でご活躍された経験に裏打ちされた今後のエネルギー問題をめぐる重要課題に関して解説して頂く。 13.電力・ガスに自由化や石油産業の再編などを踏まえ、今後のエネルギー政策と地球温暖化問題について解説する。 14.核燃料サイクル政策の帰趨は依然として不明確であることから、原子力爆弾に直結するおそれのあるプルトニウムの管理問題が世界の安全保障を揺るがす問題となっていることにつき解説する。 15.AI、ロボットの進展により人間の仕事が置き換わらないようにするための一助としての人間らしい判断力、構想力、決断力、思いやりなど人間力を醸成するための解説を行うとともに議論をする。特に、田中角栄元首相の判断力、構想力、決断力、人間力の高さに関して当時身近にいた方から解説をして頂く。 16.今後の我が国の進むべき明るく活力のある経済社会の方向と、国際環境エネルギー問題との関係につき解説する。 17.今後の我が国の進むべき明るく活力のある経済社会の方向と、その実現の方途につき聴講生の考えを披露して頂き意見交換をする。
授業の方法
講義形式および討論形式(判断力、構想力、決断力など人間力を磨く一助となるように課題を出してそれぞれの考えを出して議論をする。課題に関して正解を求めるものではなく、考え抜いた深さや表現力を養う。)
成績評価方法
 国際的視点に立って、環境エネルギー、経済関連の事象について、それぞれの関連性などに関し大筋把握した上で、今後の我が国のあり方について聴講生がそれぞれの考え方をまとめるための材料を提供することを目的とした講義であることから、正解、不正解を評価するような試験は行わず、最後の講義において、それまでの講義を踏まえて聴講生から国際環境エネルギー問題に関する考え方をレポート(A4ペーパー1~2枚以内。)に基づき発表をして頂き、その内容が論理的に整理されているかにより評価する。
教科書
特に使わない。それぞれの授業時に関連資料を配布する。
参考書
特に使わない。
履修上の注意
特になし。