初回の授業では、読むべき文献の内容と、授業の具体的なスケジュールの説明をする。また、各回において、文献の内容要約等の報告を担当する受講者を決定する。第2回以降の授業では、地域文化研究分科の教員の中から計4名がそれぞれ3回ずつ講義を受け持つ。それぞれが担当する回では、各教員が地域文化研究において重要性を持つ文献をとりあげて授業を進める。担当教員は、岡田泰平(アジア)、川喜田敦子(ドイツ)、藤崎衛(イタリア地中海)、土屋和代(北アメリカ)の4名である。
取りあげる文献は、以下を予定している。なお、テキストの入手方法については、1回目の授業のときに周知する。
第2回~第4回 岡田泰平:
・古田元夫『東南アジア史10講』(岩波書店、2021年)
・ベネディクト・アンダーソン(白石さや、白石隆訳)『想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行』(NTT出版、1997年)
・アンソニー・リード(太田淳他訳)『世界史のなかの東南アジア 歴史を変える交差路』(名古屋大学出版会、2021年)
第5回~第7回 川喜田敦子:
・ウルリヒ・ヘルベルト(小野寺拓也訳)『第三帝国 ある独裁の歴史』(角川新書、2021年)
・石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書、2015年)
・アライダ・アスマン(安川晴基訳)『想起の文化 忘却から対話へ』(岩波書店、2019年)
第8回~第10回 藤崎衛:
・北村暁夫『イタリア史10講』(岩波新書、2019年)
・カルロ・ギンズブルグ(杉山光信訳)『チーズとうじ虫 16世紀の一粉挽屋の世界像』(みすず書房、1984年、新装版2021年)
・ピーター・バーク(原聖訳)『近世ヨーロッパの言語と社会 印刷の発明からフランス革命まで』(岩波書店、2009年)
第11回~第13回 土屋和代:
・アイリス・マリオン・ヤング(岡野八代・池田直子訳)『正義への責任』(岩波現代文庫、2022年)
・アリシア・ガーザ(人権学習コレクティブ監訳)『世界を動かす変革の力 ブラック・ライブズ・マター共同代表からのメッセージ』(明石書店、2021年)
・サスキア・サッセン(伊藤茂訳)『グローバル資本主義と「放逐」の論理 不可視化されゆく人々と空間』(明石書店、2017年)