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最終更新日:2024年4月22日

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進化認知脳科学演習

心とことば ― 進化認知科学的展開
進化認知科学研究センターは、一つの専門分野にとどまらず、複眼的視点と複数の 研究手
法に通じた若手研究者の育成を目指し、領域横断的な人間総 合科学を構築することを目標
として活動を行っている。 本講義は、進化認知科学センター関連メンバーを中心に提供
される大学院向け教育科目である。
この科目では、心とことばに関わる諸領域の最新の研究成果に関する講義と、それぞれ
の領域の研究法の解説・演習を組み合わせて、異分野交流をはじめる手がかりを提供する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08F1117
FAS-FA4B17S1
進化認知脳科学演習
岡ノ谷 一夫
A1 A2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部
授業計画
■9月14日(月)10:00~17:00 <人の認知能力とfMRI脳活動計測> ◎MRI装置を用いた脳活動計測の基礎と実践 講師:中村 優子 (東京大学 人間行動科学研究拠点)、橘 亮輔 内容:脳機能画像研究の概略・歴史と機能的MRI(fMRI)の原理を解説する。また、fMRIをもちいた計測実験の実例をしめし、データ解析を体験する。得られた結果について脳活動パターンから何が言えるかを議論する。 ◎聴覚と運動を統合する脳メカニズム 担当:橘 亮輔 (東京大学 進化認知科学研究センター)、中村 優子 講義内容:fMRIを用いた脳活動計測研究の例として、聴覚情報を運動制御に統合する神経基盤に関する研究を紹介する。発話や音楽演奏には自分で作り出した音を聞きながら運動をうまく制御しなければならない。これを可能にする神経メカニズムの研究について概説する。 ■9月15日(火)10:00~17:00  <言語の知覚認知過程と研究手法> ◎言語の脳内処理 ー 脳波計測 講師:小林 由紀 (東京大学 進化認知科学研究センター) 内容:脳波測定はヒトの脳から生じる電気活動を記録し観察する方法である。特に、特定の刺激に関連して生じる事象関連電位(event-related potentials)は、その刺激の処理過程を反映すると考えられるため,人間の言語処理過程を解明するのに非常に有用である。前半は脳波の基礎知識と測定手法と解析手法、さらに、言語処理過程を脳波測定によってどのように解明するかについて実際の研究例を元にして講義する。後半は脳波測定の実際の場面を紹介し、データ解析の実習をおこなう。 ◎ visual world paradigm実験 ー 眼球運動計測 講師:陳 姿因(東京大学 総合文化研究科) 内容:我々人間の目の動きは随意的ではなく、高次の認知的プロセスと密接に関わっている。目がいつ、どこに向けているかは即時処理や予測処理の指標になる。Visual world paradigm実験法とは、音声を聞きながら、複数の視覚提示の中からターゲットを探し出す課題で、特に心理言語学で抽象的な認知プロセスを推定するのによく利用される方法の一つである。授業の前半にはvisual world paradigm実験の原理とデザインする際の注意点を概説する。後半には実際の実験を紹介し、データ分析の実習をおこなう。統計フリーソフトRをもちいる。 ■9月16日(水)10:00~17:00 <動物の行動心理実験・神経活動記録> ◎鳴禽類における発声学習の神経機構 講師:柳原 真 (東京大学 総合文化研究科) 内容:子供がことばを学ぶように、鳴禽類の幼鳥は生後の限られた時期に「さえずり」と呼ばれる発声を学習する。鳴禽類の脳内にはこのさえずりに特化した神経回路が明瞭に存在することから、これまで鳴禽類を対象とした発声学習に関する研究が盛んにおこなわれてきた。本講義では、行動学や神経科学の様々な研究手法によって明らかになってきた発声学習の神経機構について概説するとともに、実際に動物脳内の神経細胞から神経活動を計測する生理学実験を紹介する。また、神経活動データの解析を体験する。 ◎行動からみる比較認知科学 講師:上條 槙子(東京大学 総合文化研究科) 内容:ヒト以外の動物を対象に研究し比較することで、ヒトの認知機能の仕組みや、いかにして進化してきたのかを明らかにしていくことが可能となる。また、動物を研究することにより、複雑に見えるヒトの行動の基礎となるものが理解されるようになってきた。本講義では、動物を対象に研究をすることで発見された行動の原理から、それらを応用してどのように動物の認知機能を研究してきたのか、研究例を紹介しながら解説する。後半では実際にラットを用いた行動実験例を紹介し、実験計画やデータ解析を体験する。
授業の方法
オンラインで講義と実習をおこなう。実習では、履修者は教材をあらかじめダウンロードしておき、講義時間中に講師から作業の指示をうけて進める。教材へのアクセスはあらかじめ登録者に知らせる。
成績評価方法
レポート評価。それぞれの担当者からの課題合計6つのうち4つを選択する。課題ごとにまとめたファイルを電子的に提出する。提出先は後日履修者に知らせる。提出期限は10月16日(金)午後5時とする。
教科書
適宜紹介する。
参考書
適宜紹介する。
履修上の注意
* 過去に同科目を履修した学生は、再度履修することはできません。 * 仮登録が必要です。8月31日(月)までに関連ホームページ内の「仮登録フォーム」から必要事項を入力してください。 * 正式な履修登録は、授業終了後、Aセメスターの科目登録期間に忘れないように登録して下さい。 * 定員は40名です(希望者多数の場合は抽選)。受講者には複数の講義のレポート提出が義務付けられます。聴講のみ希望の方は仮登録でその旨明記してください。その場合、実習に制限が生じるかもしれません。 * 9月14日(月)の授業に必ず参加し、授業実施に関する説明を受けて下さい。 * 変更や講義内容の詳細についてはウェブサイト(http://ecs.c.u-tokyo.ac.jp/*****)および仮登録者へのメール連絡で知らせます。
その他
* 本科目は、オンラインでおこなう。 * 学融合プログラム「進化認知脳科学演習」、広域科学専攻「進化認知科学」と共通。