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最終更新日:2024年4月22日
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環境社会科学[グローバル・エシックス]
広義の経済学の方法
Methodology of the Political Economy in the Broader Sense
1960年代から70年代にかけて、日本では工業生産の負の側面である公害問題が深刻化し、また世界では冷戦構造のもとで核戦争の脅威が高まっていました。このような状況の中で、人間の生命とそれを支える環境を守り育てようとするエコロジー思想が注目を集めることになります。経済学の分野でも、市場と工業の論理で成り立つ「狭義の経済学」から、非市場と生命系に基礎を置いた「広義の経済学」へのパラダイム転換が提唱されるようになりました。しかし、1980年代から2010年代にかけて世界経済は、このようなパラダイム転換の呼びかけを無視し、市場原理主義の暴走を許すことになりました。この間、地球環境問題は悪化の一途をたどり、2020年代に入ると、新型コロナの世界的蔓延およびロシアによるウクライナ侵攻が生じました。今日、このような人間の生命や生活および尊厳(=人間の安全保障)への破壊的影響をどう取り除くことができるかが喫緊の課題となっているといえます。経済学でも、旧式のパラダイムに固執する「狭義の経済学」が急速に衰退する様相を見せ始めているのに対し、「広義の経済学」への期待と関心とが高まってきています。この授業は、以上のような問題意識を念頭に置き、「広義の経済学」の基本的考え方を理解しその今日的意義を明らかにすることを目標とします。
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