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最終更新日:2024年10月18日

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量子力学III[数理自然科学コース]

量子ダイナミクス,光と物質の相互作用,量子力学と対称性
量子力学IIの内容を既知とし、より進んだ量子力学の内容を学ぶ。まず基本事項を総括し、その後、以下の3つの課題を中心に必要な内容を補足しながら講義を進める。学期末には、これらの課題を自力で解決できることを目標とする。各課題に対して具体的な問題を提示し、その解決過程を通じて重要事項を解説する。

課題1: 量子ダイナミクス
時間依存の2状態系のハミルトニアンを厳密解法や近似解法など多角的に用いて解き、そこから得られる物理的意味を理解する。関連して、2状態系の応用、断熱近似、ベリー位相などを扱う。

課題2: 光と物質の相互作用
水素原子の励起状態の寿命を計算する力を養う。関連として、時間依存摂動論や電磁場の量子論を学ぶ。

課題3: 量子力学における対称性
1次元束縛状態に縮退がない理由、2次元で縮退が可能になる理由を対称性の観点から説明できるようにする。関連して、対称性と保存則、量子力学と群論の関係を学ぶ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08E1017
FAS-EA3B18L1
量子力学III[数理自然科学コース]
岸根 順一郎
A1 A2
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
「授業の目標、概要」で述べた課題をテーマに,以下の内容を扱う. 1. 量子ダイナミクス  2状態系のダイナミクス  ベリー位相  散乱問題 2. 光と物質の相互作用  相互作用描像と時間に依存する摂動論  電磁場の量子化  光と物質の相互作用 3. 量子力学における対称性  対称性と量子数  群の表現論入門
授業の方法
講義ノートに基づく板書
成績評価方法
レポート(学期中に4回を予定)
教科書
指定なし 講義資料は,UTASのLMSにアップします.
参考書
(1) J.J. Sakurai 「現代の量子力学(下)」(吉岡書店)  講義内容は,本書の「近似法」に関する章の後半,および「量子力学における対称性」の内容にだいたい対応するが,扱う順序や内容,扱い方は本書の内容とは独立である.あくまで参考書として推薦する. (2) David J. Griffiths, Introduction to Quantum Mechanics (Cambridge University Press)  本書は,国際的に定評ある学部上級レベルの教科書である.講義で扱う内容は,本書の 9. Time-Dependent Perturbation Theory 10. The Adiabatic Approximation に含まれる.
履修上の注意
基礎的な量子力学(量子論の要請,シュレーディンガー方程式,1次元及び3次元ポテンシャル問題,角運動量の量子論,時間に依存しない摂動論,散乱問題の基礎)を学び終えていることを前提に,その先のレベルの内容を扱います.