ガイダンス
テーマ1 生物間相互作用の解析
〜細胞内共生微生物による宿主昆虫の繁殖操作〜
授業の目標・概要:本実験では,昆虫に広くみられる細胞内共生細菌ボルバキア(Wolbachia)が示す宿主昆虫の繁殖操作について,共生細菌の適応進化の観点から理解を深めることを目的とする.まず,PCRによってさまざまな昆虫からボルバキアの遺伝子配列の検出を試みる.さらに,ボルバキアの感染が知られている貯穀害虫の一種アズキゾウムシを用いた交配実験により,ボルバキアがどのように宿主の繁殖様式を操作しており,それがボルバキアにとってどのように適応的であるのかを考察する.これらの実験結果・考察はレポートとしてまとめる.
テーマ2 バイオ実験の基礎
〜クローニングと遺伝子組み換え〜
授業の目標・概要:本実験では,前半で生物実験における基礎的な技法の習得し,後半では植物の光合成の場である葉緑体の形成機構に関する実験を行う.前半の「バイオテクノロジーの基礎」では,大腸菌にオワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)を形質転換し,遺伝子操作を習得するとともに,大腸菌における遺伝子発現機構を理解する.後半の「植物の葉緑体形成」では光シグナルによる植物の形態形成,それに伴う葉緑体形成について観察する.これらの実験結果・考察はレポートとしてまとめる.