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最終更新日:2026年10月16日
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特殊講義「国際秩序論」
国際秩序論
本講義は、冷戦後に定着したアメリカ中心の自由主義的国際秩序が、単純に崩壊したのではなく、米中を二つの焦点とし、中小国がその間で自律性を模索する「楕円化する世界」へ変形しているとの認識から出発する。アメリカは依然として最大の軍事・経済力を持つが、自ら主導した制度や同盟を常に同じ原則で支える存在ではなくなり、選択的・取引的な関与を強めている。中国は既存秩序を全面的に否定するのではなく、そこから利益を得ながら、巨大市場、供給網、国家金融、技術、インフラを通じて他国の選択を左右し、既存制度の運用と独自の制度形成の双方から秩序の重心を動かしている。中小国もまた、米中のいずれかに従属するのではなく、ヘッジングを通じて利益と自律性を確保しようとする。その結果、国際秩序は消滅するのではなく、制度が残りながら、合意、責任、実効性を欠く「穴の空いた秩序」となりつつある。講義では、20世紀と冷戦後の秩序の来歴をたどり、民主政治の後退、独裁国家の連携、国際組織、企業・犯罪組織、科学技術を検討したうえで、未来思考、日本の選択、人類共通の課題を考察する。
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