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最終更新日:2026年10月16日

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アジアの民族b

人類学における協働の可能性と実践
人類学のフィールドワークは、調査者だけで成り立つものではない。参与観察という方法が示すように、フィールドで出会うさまざまな人びととの関係や対話を通して行われてきた。近年では、そうした関係をより積極的に「協働(collaboration)」として捉え直し、調査の計画や実践、知識や表現をつくる過程にさまざまな人がかかわる試みが広がっている。一方で、なぜ協働が望ましい価値として語られるのか、それは誰に何をもたらすのか、そこにどのような権力関係や限界があるのかも問われてきた。

この研究ゼミでは、こうした人類学における協働をめぐる議論を一つの出発点として、他者とともにフィールドにいること、知ること、考えることについて、参与観察や民族誌的思考そのものに立ち戻りながら考える。人類学者は、フィールドでどのように他者とともに学び、知り、考えているのだろうか。「ともにする/ともに考える」ことと、それぞれが異なる経験や立場にあることは、どのように関係しているのだろうか。

文献講読に加え、映像、旅、身体、書くことなど、フィールドでの具体的な実践を取り上げる(教員のスリランカでの実践に加え、ゲストスピーカーを招く予定)。協働について一つの答えを得ることを目指すのではなく、具体的な実践に即してその可能性と難しさを考えながら、それぞれがこれからフィールドで人と出会い、調査し、考え、書いていくための手がかりを探していきたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2854B
FAS-CA4Q05L1
アジアの民族b
中村 沙絵
A2
金曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
教養学部
授業計画
第1回 人類学における協働 人類学において協働(collaboration)がどのように論じられてきたのか、その背景や広がり、協働をめぐる期待と批判について、これまでの議論を整理する。(George E. Marcus、Margot Weiss、Tami Navarro, Bianca Williams & Attiya Ahmad など) 第2回 ともにいる/ともに知る——参与観察を考え直す 人類学の参与観察とは、そもそもどのような実践なのか。他者について知ることと、他者とともに学び、歩き、応答することとの違いを考える。(Tim Ingold, “That’s Enough about Ethnography!”、Lines など) 第3回 民族誌的な経験と思考——「ともに考える」とは フィールドでの経験は、いつ、どこで、どのように民族誌的な思考になるのか。経験が後から結び直されること、また他者との関係のなかで思考が生じることを手がかりに、「ともに考える」ことについて検討する。(Judith Okely、Ottenberg, T.Ogdenなど] 第4〜7回 文献とフィールドでの実践から考える 文献講読とあわせて、担当教員やゲストスピーカーによるフィールドでの実践についての話、映像その他の素材を取り上げながら考える。映像と旅、ダンスや身体、書くことなどをテーマとして予定している。 ※授業の内容や進め方は、参加者との議論や関心に応じて変更することがある。
授業の方法
講義とディスカッション
成績評価方法
文献講読やディスカッションを含む授業への参加状況(60%)と、授業を通して考えたことをまとめる最終課題(40%)により総合的に評価する。最終課題の具体的な内容・形式については、授業の展開を踏まえて決定する。
履修上の注意
本授業は、講義を中心とする入門的な授業ではなく、文献講読とディスカッションを中心に進める研究ゼミです。毎回の文献を事前に読み、議論に参加することを前提とします。人類学のフィールドワークや民族誌に関心をもち、自分なりの問いをもって参加してください。