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最終更新日:2025年4月21日
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特殊講義IV[アジア・日本研究コース]
植民地支配と戦争、人の移動
Colonization, Wars, Immigration
かつて世界中を分割した欧米諸国による植民地支配は、二つの世界大戦によって徐々に終焉へと向かうことになった。本演習では、主にフランスのインドシナ植民地支配を扱いながら、戦争と人の移動という二つの点に注目して講義・討論を進めていく。
脱植民地化にむけた胎動を引き起こした第一次世界大戦は、植民地をも巻き込んだ初めての総力戦であり、宗主国は植民地から現地住民を兵士・労働者として大規模に動員した。続く第二次世界大戦においても、前大戦の経験をもとに同様の動員がみられたが、その状況は大きく異なっていた。植民地支配は必然的に人の移動を伴うものであるが、とりわけこの二つの戦争は、植民地からの人の移動を大きく促した。このことが、植民地支配の在り方、そして脱植民地化の過程においてどのような意味をもっていたのかを考える。
また、脱植民地化における決定的な契機となった第二次世界大戦について、インドシナにおける日本軍の駐留とフランス植民地支配の関係に焦点をあてて講義を行う。日本とフランスの「共同支配」という特殊な状況が、この地の脱植民地化にいかなる影響を与えることになったのかを考え、討論を進めていく。
戦争によってはじまった人の移動はその後も止まることなく、植民地独立戦争の過程においても加速し続けることになった。植民地から宗主国への現地住民の移動だけではなく、植民地を失った宗主国の人々が一斉に本国へ引き上げることになった。本演習ではこの脱植民地化過程における人の移動も視野に入れる。
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