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最終更新日:2025年4月21日

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スペイン研究IV

中世イベリア半島の歴史(後半)
【授業の目標】
イベリア半島の置かれた地理的・歴史的な諸条件を把握しながら、異なる文化と文明がせめぎあった中世のスペイン・ポルトガル史のダイナミズムを、世界史的な文脈の中に位置付けることができるようになる。

【授業の概要】
我々は現在の世界情勢から遡及的に考えて、昔から「ヨーロッパ世界」と「イスラーム世界」が常に対立してきたと即断してしまうのではなかろうか。確かに、中世のイベリア半島では、いわゆる「レコンキスタ」や「十字軍」あるいは「ジハード」の旗の下に、キリスト教徒勢力とムスリム勢力が相争っていたことは紛れもない事実である。
 しかし、最前線で異教徒世界と対峙していたイベリア半島の人々は、異教徒勢力に対してどのように振る舞っていたのであろうか。本当に神の名のもとに異教徒を憎悪し、敵視していたのであろうか。あるいは信仰を異にしながらも、共存を試みていたのであろうか。
 本講義では、現在のスペイン社会・政治・文化にも深い爪痕を残している中世イベリア半島の歴史を全体として論じる。信仰上・文明上のフロンティアに生きた人々の、憎悪と共生の狭間で苦しみながらも、たくましく生き残ろうとした生き様を紹介しながら、異教徒間交渉・異文化接触の歴史的意義について考えていきたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2753
FAS-CA4P19L1
スペイン研究IV
黒田 祐我
A2
未定
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講義使用言語
日本語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
「スペイン研究Ⅲ」に引き続いて、以下のテーマに関して論じていく予定である。  1. 一進一退の攻防 ~12世紀から13世紀前半の情勢~  2. 征服活動と入植の実態  3. 中世後期の危機 ~13世紀後半以後の「海峡戦争」の実態~  4. レコンキスタの完遂へ向けて ~14世紀後半から1492年へ~  5. 終わらない「レコンキスタ」 ~近世以後~ *講義内容に関しては、若干の変更がありうる。
授業の方法
パワーポイントを用いる講義形式とする。適宜、受講者からの質問の受け付けと討論を休憩がてら、はさんでいくつもりである。なお受講希望者は「スペイン研究III」も併せて登録してほしい。これらはひと続きの講義となる。
成績評価方法
本講義に関連するテーマを論じた学期末レポートによって評価する(80%)。 ①問題設定、扱う具体的事例、結論との間に整合性があるか ②自らの見解を説得的に提示できているか ③参考文献を用いたのであれば、それが的確に明記されているか これと講義終了時に提出してもらうレビューシートと平常点も評価に加味する(20%)。
教科書
用いない。
参考書
本講義で扱う各テーマに関連する参考文献は、講義中に適宜紹介する。通史・概説書については、以下の「履修上の注意・準備学習等(予習、復習)」の箇所を参照のこと。
履修上の注意
中世イベリア半島史に関連する通史や概説書などを事前に、あるいは講義の進度に応じて適宜読むと、より講義内容に関する理解が深まるであろう。たとえば、以下の文献をすすめる。より個別のテーマに関しては、それぞれの参考文献リストを参照してほしい。 ①阿部俊大ほか編『スペイン・ポルトガル史研究入門』山川出版社、2024年。 ②黒田祐我『レコンキスタ—「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』中央公論新社、2024年。 ③関哲行、立石博高、中塚次郎編『古代~近世(世界歴史大系スペイン史1)』山川出版社、2008年。 ④立石博高ほか編『スペイン・ポルトガル史(新版世界各国史16)』山川出版社、2000年。