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最終更新日:2024年4月22日

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ラテンアメリカ文学・思想III

ラテンアメリカ文学史―征服期から21世紀まで(1)
征服期から現代までにわたるラテンアメリカのスペイン語文学の動向を、地域の文化的・社会的状況とともに概観し、また毎回代表的な作品の一部を読むことで、文学がスペイン語圏アメリカにおいていかなる意味を持ってきたか、そして、作家たちがいかなる思想をどのように作品に結実させてきたかを探る。A2タームの「ラテンアメリカ文学・思想IV」に続く。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2741
FAS-CA4P07L1
ラテンアメリカ文学・思想III
棚瀬 あずさ
A1
金曜3限
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講義使用言語
日本語/スペイン語
単位
1
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
第1回 イントロダクション  征服期から現代までにわたるラテンアメリカのスペイン語文学の動向について、時代を通して繰り返される主題や問題点に触れながら、全体の見取り図を提示する。文献の紹介も行なう。 第2回 記録と物語のあいだ――征服者たちの文筆 スペイン帝国による征服期の文筆の重要な一形式であるクロニカ(年代記)を読み、先住民の文明とヨーロッパ文明の未曾有の邂逅を、スペインの征服者がどのように書き残したかを探る。 ☆ エルナン・コルテスの第二の報告書簡(1520) 第3回 バロックの言語実験――17世紀植民地における詩の試み 新大陸生まれの知識層の出現とともに、スペインの詩人ゴンゴラの影響のもとで流行した、意匠を凝らした言葉遣いや大胆な比喩を多用する文学表現の試み「クルテラニスモ」(文飾主義)の特質を捉える。 ☆ ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルス『第一の夢』(1692) 第4回 独立をめぐって――19世紀の国家形成と文学 19世紀前半までの運動によって政治的独立が達成されるとともに、知識人は文筆を通じて、もはやスペインの一部ではない自らの地に築いていくべき社会と文化のあり方を問いはじめた。当時の代表的な思索のあり方を観察する。 ☆ アンドレス・ベジョ「詩神への誘い」(1823)、ドミンゴ・F・サルミエント『ファクンド―文明と野蛮』(1845) 第5回 ロマンスと社会批判――19世紀の恋愛小説 19世紀中葉には、ロマン主義や写実主義の方法を用いていくつかの代表的な恋愛小説が書かれた。人種や階級、ジェンダーをめぐる当時の社会規範がそこでいかに描かれ、批判されているかを分析する。 ☆ シリロ・ビジャベルデ『セシリア・バルデス』(1839-1882) 第6回 モダンであることの撞着――文学運動モデルニスモの問題提起と手法 ラテンアメリカ文学史の重要な一局面である文学運動「モデルニスモ」の文学史的意義と展開、手法を学ぶ。 ☆ ルベン・ダリーオ『瀆神の聖歌』(1896)、『生命と希望の歌』(1905) 第7回 横溢する想像力――1920年代の地域主義小説 密林やパンパといった新大陸の自然と人間の関わりを中心とする地域固有の現実を描く試みであった1920年代の「レヒオナリスモ」(地域主義)の手法を学ぶ。 ☆ ホセ・エウスタシオ・リベラ『大渦』(1924)
授業の方法
基本的には講義形式で実施しますが、作品講読にあたっては、学生に訳を担当してもらったりコメントを聞いたりなど、演習形式を取り入れます。 ※状況の変化がないかぎり、全回対面式で行ないます。
成績評価方法
平常点及びAセメスター末のレポートで評価します。
教科書
授業内で資料を配付します。
参考書
各回で紹介します。
履修上の注意
・この授業はセメスター科目として構想されていますので、特別な事情がないかぎり、A2タームの「ラテンアメリカ文学・思想IV」を継続して受講してください。 ・文学テクスト原文を取り上げることが多くあるため、スペイン語の基礎的知識があることが望ましいですが、各自の状況に配慮して授業を行ないますので、スペイン語学習歴はないけれどもスペイン語文学に関心を持っている意欲ある学生の履修も歓迎します。