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最終更新日:2025年4月21日

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アメリカ文学論

トマス・ピンチョンと仲間たち——『インヒアレント・ヴァイス』、ロスアンジェルス、1960年代 Thomas Pynchon and Co.: Inherent Vice, Los Angeles, and the 1960s
 現代のアメリカ合衆国を代表する作家の1人であるトマス・ピンチョンの『インヒアレント・ヴァイス』(Inherent Vice, 2009)を少しずつ読み、そのあとはこの小説と関連するいくつかの映画(ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督『ビッグ・リボウスキ』[The Big Lebowski, 1998]、ポール・トマス・アンダーソン監督『インヒアレント・ヴァイス』[Inherent Vice, 2014]、クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』[Once Upon a Time in Hollywood, 2019]など)を観て議論する演習形式の授業です。
 細かい言語表現に注意を払いながら作品への理解を深めること、背景にあるアメリカ合衆国の社会的・文化的なコンテクストについての知識を得ること、テクスト分析の方法を実践的に身につけること、英語で書かれた小説の文章を継続的に読む習慣を身につけることなどを目標とします。ピンチョンの書く英語は読みやすいものではないかもしれませんが、予習をこなして毎回の議論に積極的に参加してくれるかぎりあらゆる学生の参加を歓迎します。ロスアンジェルスの都市空間に興味がある人もない人も、1960年代のカウンターカルチャーに関心がある人もない人も、ハードボイルド探偵小説が好きな人も嫌いな人も、それぞれの小説・映画のテクストを検討しながら各自の関心を発展させる機会にしてください。
 この科目は後期課程と大学院の両方の学生が受講しうるものですが、学部生であっても大学院生であっても履修に際して不安を感じる必要はありません。幅広い学年の受講生のあいだで活発な意見交換が生まれることを期待します。

※授業形態は学部・研究科の方針に従います(2025年2月時点の記述)。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2648
FAS-CA4O14L1
アメリカ文学論
井上 博之
A1 A2
未定
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
※下のスケジュールは暫定的なもの。変更の可能性あり。初回は予習の必要なし。 1. イントロダクション、授業概要の説明 2. Inherent Vice (1): Chapter 1 / 授業形態・発表担当の決定 3. Inherent Vice (2): Chapters 2–4 4. Inherent Vice (3): Chapters 5–6 5. Inherent Vice (4): Chapters 7–8 6. Inherent Vice (5): Chapters 9–10 7. Inherent Vice (6): Chapters 11–12 8. Inherent Vice (7): Chapters 13–14 9. Inherent Vice (8): Chapters 15–16 10. Inherent Vice (9): Chapters 17–18 / 期末レポートについて説明 11. Inherent Vice (10): Chapters 19–21 12. The Big Lebowski (Directed by Joel Coen and Ethan Coen, 1998) 13. Once upon a Time in Hollywood (Directed by Quentin Tarantino, 2019)
授業の方法
 初回はガイダンスとし、2回目以降は指定範囲の予習が前提になります。週によって増減しますが、だいたい毎回ペイパーバック版で40ページほどのペースで読み進めます。3〜4回目以降の授業形態は人数と受講者の希望を考慮して判断します。少人数の場合、発表担当は決めずに全員が気になる点や考察を箇条書きにした読書・観賞メモを持ち寄って議論します。ある程度の人数がいるときは個人またはグループによる発表を中心に進めます。その場合、前半は担当者による解説・考察と問題提起、質疑応答と教員による補足、後半は発表内容を受けてのグループあるいはクラス全体でのディスカッションといった流れです。いずれにしても毎回全員にディスカッションへの参加と発言を求める授業なので必ず予習をし、意見や疑問点、話しあいたいトピックを持って参加してください。毎回の授業の最後に短いレスポンス・ペイパーの提出を求め、期末レポートでは各自で設定したトピックを授業内容をふまえて論じてもらいます。希望者の期末レポートにはコメントをつけて返却します。
成績評価方法
 予習、ディスカッションへの参加、授業内での発言を中心とする平常点(25%)、レスポンス・ペイパー(15%)、発表担当あるいは観賞・読書メモ(20%)、期末レポート(40%)を基本として判断します。ただし、期末レポートの提出(と発表がある場合はその担当)は単位認定のための必須条件とします。正当な理由なく4回以上欠席した場合も単位認定はありません。
教科書
 初回授業前に購入する必要はありませんが、『インヒアレント・ヴァイス』はなるべく下に指定するPenguin Books版を入手してください。生協にも若干部数を注文します。紀伊国屋書店ウェブサイト、Amazonなどで入手してもかまいません。ページ番号をあわせることはできませんが電子書籍版の使用も可能です。映画については各自で鑑賞手段を確保してください。 ・Pynchon, Thomas. Inherent Vice. 2009. Penguin Books, 2010. [ISBN: 9780143117568]
参考書
 授業中に適宜紹介します。
履修上の注意
・履修を希望する場合は初回の授業から参加してください。2回目以降は予習をしたうえでの参加が前提なので、やむをえない事情で初回に参加できない/できなかった場合はなるべく早く一度メールで教員に連絡してください。 ・履修に際して知識や専門分野は問いません。予習をこなして議論に積極的に参加してくれるかぎり、あらゆる学生の受講を歓迎します。ただし、毎回の議論の積み重ねを重視するので、正当な理由なく繰り返し欠席する受講者には単位の認定はありません。 ・ディスカッションや発表を含め、受講生の積極的な参加を求める授業です。ディスカッションの際はお互いの意見を尊重しながら考えたことをしっかり話し、議論しやすい環境を全員で作ってください。 ・扱う作品には暴力的な場面、人によっては過去のつらい経験の記憶を喚起するきっかけになりうる場面などが含まれるものもあります。授業では居心地の悪い思いをさせることがないように配慮しますが、不安がある場合は初回の授業時などに教員に相談してください。