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最終更新日:2026年10月16日
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アメリカ政治論
現代アメリカ政治文献講読演習
アメリカ合衆国の政治は、1780年代後半に起草された世界最古の成文憲法に基づき、240年間近くの永きにわたって統治機構の大きな枠組みを変えずにこれまで運用されてきた。19世紀前半には白人男性を対象とする普通選挙権を他国に先駆けて導入したこと、また1960年代には人種の壁を超えて黒人市民にも参政権が認められた経緯から、アメリカ政治が現代民主政の鏡であるかのように論じられることは多くあった。
しかしこの二つの前提は、ドナルド・トランプ大統領の二度目の政権就任に伴って短期間で大きく変わりつつある。出生地主義に基づいて市民権を付与してきた憲法修正条項や、人種間あるいはジェンダー間の格差の是正のための積極的優遇措置など20世紀後半以後に連邦政府が促進してきた政策を、トランプ政権は大統領令によって廃止する方針を打ち出している。不法移民の取締りや犯罪の横行を理由として大統領の指揮下にある軍や法執行機関を、民主党首長の都市に派遣することで、警察などを含め多くの政策領域について、州や地元の政府による自治の原則が覆されていることも指摘できる。さらには連邦裁判所が大統領府に対して下した命令に政権側が従わないことを表明したり、あるいは一部メディアの記者会見への参加を禁じて報道の自由を脅かすことも起きている。権威主義的な統治が、いともたやすく首都から国内全域へと広まっているかのようにも受け取れる。このような大きな変動はなぜ可能になってしまったのだろうか。
本授業では、アメリカ合衆国の建国からこんにちに至るまでの歴史的経緯を踏まえたうえで、現代政治の理解を深める文献を講読する。A1タームでは、(1)「多数派の専制」の抑止策と多数決型の権力配分、(2)二大政党の機能と構造の変化、という二つのテーマについての文献を取り上げる。演習形式での研究文献の講読と議論を通じて、口頭報告や論点整理の技能も習得する。
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