学部後期課程
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最終更新日:2024年4月22日

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ヨーロッパの歴史

エウセビオス『教会史』を読む / Reading Eusebius' Church History
紀元3世紀後半から4世紀初頭に活躍した司教エウセビオスの筆になる『教会史』を講読する。本書は、西洋の歴史の中で『教会史』というジャンルを開拓した作品として名高いが、それに加えて、初期キリスト教の発展の歴史に関する重要史料を多数伝えているという点で唯一無二の貴重な史料でもある。本授業では、この『教会史』という作品そのものに触れて、初期キリスト教史に関する一般的な知識を得ることを第一の目標とする。その一方で、『教会史』は複雑な過程を経て、現在我々の手元に伝わる形になっている。授業では、『教会史』テキストが成立する過程、エウセビオスがこの作品を執筆した歴史的背景なども考慮に入れ、歴史を再構成するにあたっての史料操作に関する知識・技術を学ぶことも目指す。
The aim of this class is to learn reading critically a historical source and to deepen the historical knowledge on early history of the Christian Church. In the semester, we read the Church History written by Eusebius the bishop of Palestinian Caesarea. He was active from the late 3rd century to the early 4th century, and a direct witness to the Persecution of the Roman Emperor Diocletian. His Church History is famous for pioneering the genre of “church history” in Western history, but it is also a unique and valuable historical material in that it has maintained a large number of important historical materials on the early Christianity.
In this course, the first goal is to touch on this work of Church History itself and gain general knowledge about early Christian history. On the other hand, Church History has gone through a complex editing process to become what we have today. In the course, we will also aim to learn about the historical background in which Eusebius wrote this work.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2543
FAS-CA4N12L1
ヨーロッパの歴史
田中 創
A1 A2
火曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
本授業は初回から対面授業を行う。 初回はイントロダクションとして講義を行い、作者エウセビオス、『教会史』、当時のローマ帝国に関して概説するとともに、授業の進め方についての説明を行う。 第2回~第11回は、『教会史』全10巻を毎回1巻ずつ読み進める。 残りの回は履修者の理解状況に合わせて、エウセビオスに関連する史料を議論する。『教会史』の内容を掘り下げるか、あるいは『パレスティナ殉教者伝』『コンスタンティヌス頌』などの他史料を扱う予定である。
授業の方法
毎回、エウセビオスの作品を翻訳で読み進めていく。回ごとに担当者を割り当て、教員が指定した課題に関連した発表を行い、他の学生がコメントをする形で授業を進める。
成績評価方法
授業への参加度合と、授業内発表、期末レポートで判断する。
教科書
指定教科書はない。必要な文献は適宜指示するか、教員が用意する。
参考書
適宜指示する。
履修上の注意
 高校世界史や西洋の古典語(ラテン語、ギリシア語)の知識がなくても参加可能である。授業内では『教会史』もギリシア語原文ではなく、翻訳を利用する。ただし、秦剛平氏による日本語訳は諸事情からあまり勧められないため、オンラインなどで入手できる英訳の利用を強く推奨する。  また史学科志望の学生だけでなく、古代ローマ・初期中世、キリスト教史に関心のある学生の参加を広く受け入れる。前提知識の有無よりも、授業内容(不明点、疑問点)についての学生からの積極的な発言を期待する。