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最終更新日:2024年4月22日

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イタリア地中海生活文化論

地中海生活文化としての「食」とその地平
地中海・イタリアの生活文化として「食」をとらえ、イタリア語のテクストを中心に読みながら、3つの角度から分析的に文化・言語に関しての理解を深めるとともに、当該の地域文化の歴史性・社会性・政治性を分析考察することを試みる。
1)伝統的な食の象徴ーパン、ぶどう酒を中心に 
2)風土と人間の生み出すものー乳製品、ワイン、ハムなどの保存食品と風景
3)料理の「ナショナリティ」と「テリトリオ」の政治性・社会性ーパスタ、米の普及について
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C2507
FAS-CA4N06L1
イタリア地中海生活文化論
村松 真理子
A1 A2
未定
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
各テーマについて、教員による解釈、参加者によるテクストの解釈、ディスカッションを行う。具体的に扱うテクストや題材は以下の予定。 1)聖書や中世文学(ダンテ)における食や食事の描かれ方をたどり、実際のローマの古代遺跡の実例や中世ルネサンスの絵画表現なども参照する。 2)チーズや肉の加工製品がいかに風土の保全と関連しているかについて考えた上で、歴史的なテクストとしてボッカッチョのデカメロンやゲーテ、スタンダール等の旅行記や18世紀絵画から、風景・食・人々の暮らしについての歴史的な作品における描写を参照する。 3)国民食の大全ともいえるアルトゥージの料理書と、国民文学としてのマンゾーニの歴史大河小説「婚約者」が19世紀に果たした文化史的意義を考える。あわせて、今日のスローフード運動や有機農業、社会農場の実践など、食と農と共同体をめぐる現代の実例を参照しながら、食の問題を通して、国家やテリトリオの政治性・社会性についても考えたい。
授業の方法
参加者の興味や言語学習歴を考慮しながら、一つ一つのテーマに関して、講義と発表およびディスカッションを組み合わせて進める。初回がオリエンテーションと自己紹介。上記の3つのテーマにそれぞれ4回程度をあてる予定。
成績評価方法
授業への参加と学期末のレポート。
教科書
とりあげるテクストについては、授業開始後に説明し、配布。
参考書
J.L フランドラン、M.モンタナリー他『食の歴史』I II III(藤原書店) A.カパッティ、M.モンタナーリ他『食のイタリア文化史』(岩波書店) 池上俊一『世界の食文化(15)イタリア 』(農文協) 村松真理子「北イタリアの伝統食品をまもる町と田園」「中部・南イタリアの有機農業と「テリトーリオ」(中西徹「有機農業と国際経済」放送大学教育振興会所収)
履修上の注意
各回で扱うテクストの予習や、コメントの準備をして、授業に参加する。講読するテクストはイタリア語が中心だが、それぞれの参加者の習熟度を考慮して、それぞれが可能な形で参加しつつ語学能力の向上を目指するように、授業を進める。