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最終更新日:2026年10月16日
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イギリス文学テクスト演習II
G. M. Hopkins研究(2)
Reading G. M. Hopkins (2)
【目標】
「詩を読む」ということ、それを「英語で」するということの意味を、ともに考えていきたいと思います。
そのためにも英詩特有の韻律やレトリック、英語圏における詩形式の歴史的展開などを学ぶことが必要になりますが、そういったことにあまりとらわれすぎず、できるだけ多くの詩行にふれ、それらについて友人たちと語り合うことを通じて、ともに鑑賞し、ともに思考する場を開いていきたいと思います。
詩を詩として、たんに〈頭〉で理解するのではなく、〈声〉に出して「音〔le son〕」と「意味〔le sens〕」との戯れを味わい、そこで感じとったことを自分なりの〈ことば〉として表現し他人と共有することできるようになれば、愉しかろうと思います。
【概要】
先学期に続き、独異的(idiosyncratic)で法外な(exorbitant)な詩人Gerald Manley Hopkins, SJ(1844-1889)と格闘したいと思います。
ヴィクトリア朝人らしく近代における信仰の問題を真剣に悩み抜いたG. M. ホプキンズは、オクスフォード大学在学中にローマ・カトリックに入信し、その後イエズス会士として信仰と学問を究める道を選択します。イエズス会に入会する直前に(信仰生活の妨げになるとして)それまで書き溜めた詩をすべて燃やし一切の詩作から手を引きますが、十年近くの沈黙ののち上長の勧めで長詩_The Wreck of the Deutschland_ を執筆し詩作活動を再開させます。とはいえ、40代半ばで早世するまでその詩が日の目を見ることはほとんどなく生前ほぼ無名の存在でしたが、死後およそ30年も経ってから友人により蒐集/編集された詩集が刊行されると(おりしも前衛的なモダニズム文学運動が勃興してくる時代にあたり)、その常識外れのリズムやヴィジョンによって「時代を先駆けた」「革命的」な詩人として一躍有名になりました。
その意味では、そもそものはじめから「文脈をはずれた(out of context)」「場違いな(out of place)」な詩人と言えますが、近年では詩人が生きた「文脈」や「土地」にしっかり戻して評価しようとする研究が多く見られます。本授業では、そういった「文脈」を大事にしながらも、あまりそれにとらわれすぎることなく、詩人が遺した詩・日記・手紙などの諸テクストと格闘しながら、その短い生涯で探究した「〈存在〉のリズム」とでも呼べそうな詩作=思索に肉薄していければ、と願っています。今学期は、ホプキンズが一旦放棄した詩作を再開するきっかけとなった長詩_The Wreck of the Deutschland_を精読したいと思います。
歴史的アプローチ(ドイツ/イギリスにおける反カトリック「文化闘争」)、詩学的アプローチ(「スプラング・リズム」の発明・実践)、神学的アプローチ(霊操としての詩作)などなど、参加者各自の関心にそって同一のテクストにとりくみ、積極的なディスカッションを行うことができればなにより、と考えています。なお、個人的には、ドゥンス・スコトゥスの「存在の一義性」「このもの性(haecceitas)」にまで遡ると見せて、返す刀で気候変動をはじめとする今日の惑星的危機(「大いなる錯乱」)に飛躍したりと、自由気ままに「文脈」を移動しながら、「エコゾフィー的詩学」の可能性をめぐる思索をみなさんと深めていくことができれば愉しかろう・・・などと妄想しています。
「先学期に続き・・・」と書き出しましたが、先学期受講していることは今学期受講の条件ではありませんし、基本的にはみなさんはじめてホプキンズを読むものと想定して授業をはじめたいと思います。とはいえ、事前に勉強できることはしておいてほしいので、以下のリンクにある紹介文には初回までに目を通しておいてください:
https://www.poetryfoundation.org/*****
※本授業は、学部後期と大学院の合併授業です。とくに大学院生には批評的テクストの紹介・吟味などといった「専門」的課題を(それぞれの「専門」的関心に極力沿うようなかたちで)課したいと考えています。
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