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最終更新日:2024年4月22日

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言語文化論特殊研究(10)

メンデルスゾーンのオラトリオ《パウロ》と《エリヤ》
2022年に没後175年を迎える作曲家フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディに焦点を当てる。彼の2作のオラトリオ、すなわち、新約聖書の使徒を題材にした《パウロ》(1836年)および旧約聖書の預言者を題材とした《エリヤ》(1846年)を取り上げ、19世紀前半のドイツにおける宗教音楽の新たな興隆と過去の音楽の復興について掘り下げる。両作品が当時のドイツ社会に放った意味を考察すると同時に、聖書の言葉に基づいた音楽が、時代と地域と宗教を越えて普遍的な感動をよびおこし得るのはなぜか、批判的に考え、私たち自身の音楽理解を深めることも目標とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C161910
FAS-CA4H18L1
言語文化論特殊研究(10)
星野 宏美
A1 A2
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
1)19世紀ドイツにおけるオラトリオの興隆 2)バッハ復活の背景(民族的遺産と天才神話) 3)《パウロ》におけるコラール使用の問題 4)《パウロ》におけるイエスの表象 5)《パウロ》における暴動と死の描写 6)《パウロ》におけるユダヤ人、異邦人、キリスト教徒 7)《エリヤ》におけるカタストロフの描写 8)《エリヤ》における唯一神ヤハウェと豊穣神バアル 9)《エリヤ》における天使の表象 10)《エリヤ》における英雄像 11)ユダヤ出自のプロテスタント教徒メンデルスゾーンとオラトリオの題材選択 12)バッハ作品との類似(ドイツ・プロテスタント音楽の伝統の創出と継承) 13)オラトリオとオペラ(市民的音楽生活における聖と俗の混淆) 14)英国におけるメンデルスゾーンのオラトリオの受容 15)芸術と人生の同一視(音楽家の神格化と作品解釈)
授業の方法
「授業計画」に挙げたポイントに沿って、テキスト(教科書)を読みながら、両オラトリオの歌詞と音楽を分析していく。音源や楽譜も使用する。音楽的能力(実技、楽典等)は問わないが、積極的な関心と意欲は必須。オラトリオの歌詞はドイツ語による(主にルター訳聖書からの引用)。歌詞の日本語訳を配布するので、ドイツ語能力は必須でないが、音楽と言語(原語)の結び付きを理解しようとする努力を期待する。
成績評価方法
毎回のリアクション・ペーパーと学期末レポート。
教科書
星野宏美著『メンデルスゾーンの宗教音楽 バッハ復活からオラトリオ《パウル》と《エリヤ》へ』(教文館、2022年3月)ISBN: 978-4-7642-6161-7
参考書
授業中に適宜、紹介する。
履修上の注意
「授業の方法」を参照。
その他
第1回目の授業も対面で行う。