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最終更新日:2024年10月18日

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言語文化論特殊研究(5)

フランスのラップ・ミュージックを通して社会問題を考える Thinking about social issues through French rap music
フランスの現代社会が抱える様々な社会問題について、ラップ・カルチャーを介して接近し、理解することを目的とする。フランスは移民によって成立している国である。現在、フランスが抱えている社会問題として、貧困や格差、あるいは、さまざまな種類の差別の問題がある。それらを、ラッパーはどのように表現してきたのか、抵抗してきたのか、30年以上の歴史を概説し、彼らのリリック(歌詞)を分析する。なお、フランス語が理解できるほうが望ましいが、必須ではない。
The aim is to approach and understand the various social issues facing contemporary French society through rap culture. France is a country built on immigration. The social problems that France is currently facing include poverty, inequality, and various types of discrimination. We will outline the history of over 30 years of how rappers have expressed or resisted these issues, and analyze their lyrics. It is preferred, but not required, to be able to understand French.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C161905
FAS-CA4H18L1
言語文化論特殊研究(5)
陣野 俊史
A1 A2
火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
第1回 ガイダンス~イエローベスト運動を例に 第2回 総論~フランスが歴史的にどのように「移民」を受け入れてきたのかを議論する 第3回 30年が経過して~ラップ・フランセの草創期について 第4回 アフリカへの視線と、第二世代の抬頭 第5回 女性ラッパー、ディアムスについて 第6回 サルコジ大統領の時代~2007年以後のラッパーたちの反発 第7回 オレルサンとビッグフロ・エ・オリ 第8回 フランスのラップにおける黒人表象 第9回 アフリカのラップ(1) 北アフリカを例に~アルジェリアとチュニジア、モロッコ 第10回 アフリカのラップ(2)セネガルのラップ~ヤナマール運動 第11回 フランスも#MeToo運動とフェミニズム~ラッパーは如何に返答したか 第12回 アダマ・トラオレ事件をめぐって 第13回 ラップ・フランセの現在形とその未来
授業の方法
「講義・演習」形式  基本的には、講義担当者が資料を作成し、事前にアップし、日本語訳を含め、音楽(主としてラップ・ミュージック)を聴き、社会的な背景とともに解説する、という形式。履修者数にもよるが、できるだけインタラクティヴな情報交換も実現したい。たとえば日本語ラップに関しては、もっとも新しい存在を知るのは学生であると思われるので、フランスの事例と日本の具体例を比較検討することも考えている。
成績評価方法
授業への積極的参加と、学期末の「レポート」を成績評価の材料とします。
教科書
特に定めない。毎回、資料を配布する。
参考書
陣野俊史『魂の声をあげる 現代史としてのラップ・フランセ』(アプレミディ、2022年) 陣野俊史『フランス暴動 移民法とラップ・フランセ』(河出書房新社、2006年)
履修上の注意
予習は特に必要というわけではないが、授業の資料としてアップされるものには眼を通しておくこと。授業の後、言及した音源にはアクセスすること。動画サイトなどによって、必ず聴き直しをすること。 それ以外に「履修上の注意」として考えられるのは、音楽への興味である。ラップを日常的に聴く必要はないが、これまでまったく興味を持たなかった場合、フランスのラップにいきなり関心を寄せることは困難かもしれない。