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最終更新日:2024年10月18日
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言語教育・学習論I[言語態・テクスト文化論コース]
教育における「価値」と「評価」を考える
教育活動に「評価」はつきものですが,評価という語にいい印象を持っている人はあまりいないでしょう。この語には,「学習の成果」や自分が持っている「能力」が,「権力を持つ者によって一方的に査定される」,という暗いイメージが抜きがたくつきまとっています。
本来評価とは,「価値」について「評すること(あれこれ言い合うこと)」です。そして何に価値を認めるかは,社会や文化によって決められるという側面もありますが,最終的には個人が,自分の責任によって決めることでもあります。
つまり価値とは,実体として存在するものではなく,「人間が見つけるもの」なのです。したがって,もともと価値があると思われていたものが価値を失ってしまうことも,逆に,「これまで認識されていなかった新しい価値」発見する,ということもあります。 評価,という概念を,「既存の規範や価値観に沿った一方的査定」としてではなく,「既存の価値の問い直しや,新しい価値の発見」と捉えてみることで,私たちの「教育」に対する向き合い方もずいぶん変わってくることでしょう。
この授業では,参加者同士の議論によって,「評価」という活動の本質に近づいていくとともに,そうした議論を,教育活動や,人間同士の日常的なコミュニケーション活動に生かしていくにはどうすればよいか,ということについて考えていきます。
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