学部後期課程
HOME 学部後期課程 原典講読特殊演習(4)[言語態・テクスト文化論コース]
過去(2022年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月22日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

原典講読特殊演習(4)[言語態・テクスト文化論コース]

“Anatomy of Criticism”を読む
“Anatomy of Criticism”はカナダの文芸批評家Northrop Fryeが1957年に刊行した著作で、本書によって文芸批評は独断的な印象の記述から理論的な分析と探究へと飛躍を遂げたと言っても過言ではない。
しかし、1960年代からフランス現代思想が英語圏のアカデミアで受容され、「批評理論」が確立されるなかで、本書の影響力は薄れたように見える。
だが近年、批評理論の権威に挑戦し、批評のあり方を根源的に考え直す傾向が顕著になっている(Eve Sedgwick, Bruno Latour, Rita Felski, Joseph Northなど)。こうした状況を踏まえながら、いま改めて“Anatomy of Criticism”を精読しつつ、批評という行為が抱えている困難と可能性についてじっくり考えることは有意義だと思われる。
本書を読むことで、最初は溢れる学識と含蓄ある(ありすぎて文脈が読めないこともしばしばの)文体に圧倒されるかもしれない。しかし、かつて批評を科学へと高めようとするには、これだけの背景知識と対象への執着が必要だと考えられていたと知るだけでも、現代の研究者にとって得るものは大きい。
まずは正確に本書を読み解いた上で、できる限りいま現在の批評や文学にも話を広げながら、受講生たちと議論を楽しめればと願っている。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C161304
FAS-CA4H12S1
原典講読特殊演習(4)[言語態・テクスト文化論コース]
武田 将明
A1 A2
水曜3限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語、英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
初回のガイダンスで担当を割り振る。 その後、毎回約30ページの英語テキストを精読する。
授業の方法
対面によるセミナー形式。発表の担当者は内容の要約、自分なりのコメント、疑問点をまとめて20分以内に発表する。発表で用いるハンドアウトは、前日の正午までに指定の場所にアップロードすること。他の受講生は、自分でダウンロード、印刷して授業に参加する。発表のあと、受講生と講師で内容について議論し、批評のあり方について考察する。
成績評価方法
口頭発表(30%)、授業への貢献(発表以外の積極的な発言など:20%)、期末レポート(授業内容に関係するテーマで4000字程度:50%)
教科書
Northrop Frye, "Anatomy of Criticism: Four Essays" (Princeton University Press, 2020). ISBN-10: ‎0691202567. ペーパーバック版を用いる。
参考書
※いずれも購入の必要はない。 ノースロップ・フライ『批評の解剖』(海老根宏、中村健二、出淵博、山内久明訳、法政大学出版局、1980):上記の日本語訳。 Princeton University PressのCollected Works of Northrop FryeのVol. 22には、"Anatomy of Criticism"が収められており、詳しいintroductionとnotesがついている。
履修上の注意
初回授業(オンライン開催の予定)で担当を割り振るので、必ず参加すること。難しければ事前に講師までメールで連絡すること。