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最終更新日:2024年4月22日

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テクスト分析演習III(2)

ジャン=フィリップ・トゥーサン L’Echiquier を読む
現代ベルギーのフランス語作家ジャン=フィリップ・トゥーサンの最新作である L’Echiquier(Minuit, 2023)を原書で読むことで、フランス語の読解力を養うことと同時に、作品と不可分な関係にある作者の来歴、フランス・ヨーロッパの同時代の文化にふれることを目標とします。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C161002
FAS-CA4H09S1
テクスト分析演習III(2)
谷本 道昭
S1 S2
月曜3限
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講義使用言語
日本語、フランス語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教養学部
授業計画
L’Echiquier(チェスボード)は、8x8のマスからなるチェスボードにちなんで64章で構成され、各章では、コロナ禍自主隔離期間中にあった著者がその時々に感じたこと考えたことが時系列順に綴られていきながら、その合間合間に、チェスにまつわる個人的な回想や、著者が始めたツヴァイクの『チェスの話』の翻訳に関する話などがランダムに挿入されることで、日常的・平面的な時空間に夢幻的ともいえる奥行きと拡がりが与えられ、想像上のチェスボードの上で随想、回想と文学が複雑かつ豊かに共鳴しあうという、数あるトゥーサン作品の中でも独創的な創作となっています(昨年のゴンクール賞候補作となりながら、惜しくも受賞を逃しました…)。授業では、L’Echiquierとともに刊行されたトゥーサン初の翻訳書である Echecs(Minuit, 2023)、L’Echiquierと同じく「回想」形式で書かれた前作 C’est vous l’écrivain(LeRobert, 2022)、さらに、未刊行の第一作Echecs(1979-1981)をあわせて参照しながら、L’Echiquierの世界に浸っていきたいと思います。
授業の方法
はじめの数回の授業でトゥーサンという作家自身とこれまでの作品群について紹介を行った後で、テクストの講読を分担式で進めていく予定です。 担当者には数章分の訳文作成と内容についての考察を行なってもらいます。 その上で、授業の場では、訳文の見直しを行いつつ、作品の分析や議論を全体で行っていきたいと思います。 授業の時間を有意義なものとするために、自分の担当ではない場合でもテクストを十分に読み込んでくるようにしてきてください。
成績評価方法
授業での発表や訳文作成などの平常点と、レポートなどの課題の評価をあわせて成績をつける予定です。 詳細については、授業の中で説明していきます。
教科書
Jean-Philippe Toussaint, L’Echiquier, Les Editions de Minuit, 2023. 245p. プリント・PDFを配布します。
参考書
授業中に指示します。
履修上の注意
毎回の授業である程度の量のフランス語テクストを読んでいくので、フランス語基礎文法をしっかり習得していることが望ましいです。 初回のみオンラインで授業を行う可能性があります。事前にUTOLで確認してください。