授業の導入、最初の数回は村上春樹・柴田元幸『本当の翻訳の話をしよう』を使い、原作と翻訳の関係について議論する。ゲーテ自身の翻訳論(『西東詩集』付録の論考など)も検討した上で、後半は日本語に訳されたゲーテ作品を実際に扱い、日本語訳の変遷・傾向・翻訳を媒介とした受容・変奏などを一緒に分析・研究したい。具体的な候補としては『若きヴェルターの悩み』、『ファウスト』第一部あたりを考えているが、たとえば前者の場合、森鷗外をはじめとする明治からの翻訳事情はもとより、湊かなえの『告白』や西尾維新の『ウェルテルタウンでやすらかに』などの日本語による受容創作も視野に入れる。また必要に応じて、情報検索に関する講習の機会も設けたい。