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最終更新日:2026年10月16日

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学際日本文化論演習V

『孟子』の訓蒙書:中国古典を日本の先人のように読む
 中国の古典は、日本の古典でもある。現在でも、高校の古典の時間には、孔子や孟子をはじめとする古代中国の著作が、訓読という技法で中国語を用いずに学ばれている。その学びは決して学校の中だけのものではなく、中国の古典について解説したさまざまな書物が出版され、読まれ続けている。
 西洋文明の影響がまだ少なかった江戸時代においてはなおさらである。日本の学者が漢文で書いた専門的な注釈が書かれる一方で、漢文を解さぬ人々のために、中国古典の内容を和文で易しく解説した書物が編まれた。それらは訓蒙書と呼ばれ、かつては通俗的とみなされ重視されなかったが、江戸時代の中国古典受容を知るための格好の資料として、近年注目されている。
 この授業では、最も有名な訓蒙書の一つである中村惕斎『四書示蒙句解』を用いて『孟子』を読む。かつて日本の先人がしたように読んでみることにより、先人の思考の跡をたどるとともに、江戸時代の『孟子』の受容について考える。
 惕斎の書は朱子学に基づくから、朱熹の『四書集注』を併読する。これにより漢文読解力を鍛錬するとともに、惕斎における朱熹の継承と相違、ひいては日中儒学の差異についても考えてみよう。
 『孟子』は戦国諸子の中でもひときわ個性の強い思想を持つとともに、その文章は散文の模範ともされた。注釈を追いかけ意味を取るだけでなく、訓読を通してではあるが、『孟子』の原文についても考えてみたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
08C1424
FAS-CA4F24S1
学際日本文化論演習V
谷口 洋
S1 S2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
教養学部
授業計画
 第1回はオンラインによるガイダンスを行う。授業の目的・概要・進め方について説明し、履修に関する質問を受ける。  第2回・第3回は、『孟子』の内容と時代背景、注釈史、訓蒙書などについて講義する。  その後は、各自が分担して、『四書示蒙句解』と『四書集注』を比較しながら、『孟子』を読み進める。『四書示蒙句解』は漢字片仮名交じりの和文であり、変体仮名などはないため、読解は容易である。『四書集注』も、訓点のついた江戸刊本の画像が容易に見られる(ちなみに日本語訳もある)。ただし惕斎も朱熹も、四書五経をはじめとする他の書物を引用することがあるし、当時の常識の上で話をするから、現代人にはすぐに理解できない箇所もある。担当者は、ただ辞書を引いて文字づらを訳すだけでなく、惕斎や朱熹の基づいたものについて、原典にあたって調査・発表することが求められる。それをふまえて、全員で解釈の妥当性について討議し、そこにみられる先人の思考について考えたい。
授業の方法
はじめの数回を除き、学生の調査・発表と討論を中心とする。
成績評価方法
平常の状況による。自分の担当箇所以外も十分予習し、よりよい解釈を追求する作業に参加してほしい。
履修上の注意
日本の先人の読みを追体験するのが趣旨であるから、読解については漢文訓読で行い、中国語の履修は前提としない。